「こままど」キックオフイベント「まちと住まいのこれから」
第二部 住まいのこれから相談窓口について
(1) 「住まいのこれから相談窓口『こままど』の開設と多様な主体による協働活動について」
つなぐ暮らしの設計室代表 石塚禎幸氏
昨年会社を辞めて、こま武蔵台で「つなぐ暮らしの設計室」という設計事務所を運営しています。併せて東京大学住宅都市再生研究センターに客員研究員として勤めています。研究から社会復興まで、様々な取り組みを通して地域の力をつなぎ、豊かな暮らしを次世代へつなぐというようなことをモットーに業務を進めております。
設計者の視点でのこま武蔵台の魅力は景観、展望、緑地と考えております。中央の通りから高麗駅へ行く道では、日高市のシンボルである日和田山が遠くこの軸線上に見えていて、おそらく毎日ここを通って高麗駅に向かわれる方にとっては、心象風景として記憶されているかと思われます。他にも多くの公園や階段を上がれば景色が非常にいいというような魅力もあります。山に囲まれたロケーションを最大に生かした団地計画で、良い景観・眺望が魅力の一つかなと思います。それから空間の公共化を作る緑地いうことで、共有地の小公園や緑道、市の公園を含めて緑地が多くあるところがこま武蔵台の魅力であると思います。
こま武蔵台は丘陵地に囲まれた自然豊かな環境でありながら、池袋からおよそ1時間、都会と田舎のちょうどいい中間にある郊外住宅地です。1977年から約2,200戸の住宅団地開発が始まって、今49年が経ちました。高齢化は50%を超えていて、人口減少と建物の老朽化、生活利便性の低下というような様々な課題に直面をしています。私自身も研究とともに、安心して住み続けるためのリフォームや新たな居住者に住んでいただくための不動産コーディネートを仕事として行っております。
このイベントの主催事務局でありますNPO法人げんきネット武蔵台についても簡単に触れさせていただきます。2019年に団体設立がされまして、元気に活躍できる地域づくりに寄与することを目的に、マルシェでの店頭販売や、色々な団体のための勉強会、現地視察、交通移動の課題に対するグループでの実証などの活動を行っております。
日高市にはこま武蔵台団地のような郊外住宅地が5つあり、この5つの住宅団地の中に日高市の人口の約3分の1がお住まいになっています。この5つの団地は市内での高齢化率が高くなっております。市内の人口の29%はこの5つの団地にあって、それから高齢者の37%はこの5つの団地に住まわれています。そして2020年は人口4,570人ですが、2050年では2,616人と43%減少が推計されています。高齢化率は今50%ですが、これはほぼピークアウトをしていまして、2050年もあまり変わらないと推計されています。世帯数も人口減少とともに減ります。特に高齢者のみが住まわれている住宅が減るということは、住んでいた家に相続者が戻ったり売却されたりすればそれはそれでいいのですが、空き家になる可能性があります。現在の空き家150件から、この後5年で250件ぐらいに増加していくと推計されます。今、不動産情報に載っている件数がだいたい年間15件から20件ぐらいですので、その数は増加していくことが危惧されます。
もちろん移住者も多くいらっしゃいます。移住者のこの属性のパターンが3つあります。これは一昨年、国交省の調査事業でヒアリングした結果になりますが、1つ目はここに生まれ育ったんだけれども、進学や就職でこま武蔵台を離れて、再び戻って暮らしている方、いわゆるUターンの方ですね。2つ目は都心に住んでいたんだけれども、都心で得られない環境を求めてこま武蔵台に暮らしている方。3つ目は近隣に住んでいたが、こま武蔵台の住環境に魅力を感じて帰ってきたという方です。
こま武蔵台の空き家率は約7%、150件ほどで横ばいですが、この後、高齢者単身世帯の減少に伴って急速に空き家が増加すると不動産価格の下落も心配と思われます。そして人口減少と空き家増加が進むと、まちの自治管理の低下、コミュニティの衰退、インフラや建物の高経年化などが課題と考えられます。また新たな入居者、特に子育て世代に向けては、若い世代の交流の満足とか、子育て世代の受け皿となる住宅の整備、こういうものも課題になるというふうに考えられます。就業者も一定数存在しますが、このエリアでの就業機会創出によって対応することもあるかもしれません。
このような課題に関して、お住まいになっている方には色々なご心配があると思います。例えば子供が独立した高齢夫婦だけの家では掃除も大変だし、このうちこの後どうすればいいのかというご心配ですとか、子育てや通学が安全で自然豊かな場所を探していて、こま武蔵台への移住を検討しているのだけれど、実際どうなのかという方もいるかもしれません。こういう疑問や心配事に対して、専門家や地域に詳しい方に聞ければいいのですが、なかなかそうも行かないということが現状というふうに思われます。
そういうご要望に対する相談窓口として「こままど」を設立しました。これからのお住まいだとか、資産、健康に関わる疑問にお答えするために、「こままど」を中心に16の企業団体、専門家がネットワークを組んでいます。お住まいについては、日高都市ガスM様、合同会社こまホーム様、ミサワリフォーム関東M様、Mクロスユー様、相続関係を含めてトム司法書士事務所様がメンバーになっています。そして資産活用については飯能振興金庫様、医療・介護・健康・福祉については武蔵台に病院をお持ちの医療法人和会様、特養をやられている社会福祉法人武蔵会様、地域包括支援センター、社会福祉協議会、こま武蔵台福祉ネット、終活サロンなどを主催しておられるMゆいと様、遺品整理や生前整理を行っておられるM橙堂様、家電関係のお困りごとにはすみや電気飯能本店様、ベースとなる住民活動や地域活性化についてはこま武蔵自治会やMCAWAZ様など、様々な方々がメンバーになっています。今お住まいの方がこれからも安心して住み続けるために、あるいはこま武蔵台に移住する方にも信頼していただける地元の企業ということでメンバー構成しています。よろしくお願いいたします。
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