「こままど」キックオフイベント「まちと住まいのこれから」
普通のトイレでは便器の前だけで合計540°の回転が必要になり、ご元気なうちは何でもないでしょうが、こうしたところが高齢者の転倒の原因になります。高齢者のお宅ではトイレの開き戸を外しているようなところもあります。トイレドアを予め引き戸にして便器に横から90°回転でアプローチできるようにする、寝室の隣をトイレにするといった工夫が必要になるところです。お子様が自立されて高齢者だけがお住いになっている2階建てで、1階の和室を車椅子でも生活できる寝室として、住設メーカーが商品化しているベッドサイド水洗トイレを設置するという工夫も考えられます。
浴室については、入口を3枚引き戸のユニットバスに交換するとなると、お金はオプションで20万近くかかりますが、やろうと思ったらできるものですね。3枚引き戸で1.4mぐらい開くようにすれば、ヘルパーの介護で、家でお風呂に入ることができます。デイサービスセンターを利用する高齢者は、入浴が主な目的になっている現実もあります。
洗面台も、洗面器の下に足が入るようになっていれば、椅子に座って洗面ができます。
ご自宅のこうした工夫には、もちろんお金のかかるお話なのですが、ぜひ頭の片隅に置いていただきたいと考えております。入院された高齢者は、自宅に帰りたいという方が多く、こうした工夫がなされていれば、自宅で入浴や洗面などができるようになります。これまで子育てと仕事が生活の中心になっていた方も、50代60代になられたら、寝室を中心に。水回りが近いとか、こうしたら往診の医師や看護師が来やすいとか、デイサービスに通いやすいといった視点で家のことを一度見直してみることが必要と考えられます。リフォームには費用がかかりますが、民間の介護施設に入所するとなるとこれだけ費用がかかるといった比較検討で考えることが大事と考えられます。
リバースモーゲージについては、のちほど飯能信用金庫様からのご説明がありますが、住宅金融支援機構は「リバース60」という商品のCMを首都圏で展開しています。このCMで紹介されたように、毎月の支払いは利息のみであまり高くなく、元金は亡くなられた際に売却代金で一括返済して相続人に返済を残さずに、自宅に住み続ける仕組みが提供されています。
3) 地域についてチェックすること
私はよく、ご両親の健康保険証が実家のどこに置いてあるか知っていますかと伺います。ほとんどの人がご存じないですね。100円ショップで販売されている、チャック付きの透明のビニール袋に健康保険証やかかりつけ医、飲んでいる薬、子供の連絡先などに関するメモ書きを入れてぶら下げておけば、例えば救急隊員が駆けつけるようなことがあったとき、必要な情報が分かります。
かかりつけ医は病気だけではなくて、例えば近くに住んでいるご家族も知っていることがあります。在宅療養支援診療所は病気を抱えているけれども通院ができない人のために24時間・365日で訪問診療や緊急対応を行うところですが、ほとんどの方は大きな病院をかかりつけ医としている方が多いようです。それは悪いことではなく、一つの病院で色々な診療科にかかることができるメリットがありますが、先々通院ができなくなった時を考えると自宅に訪問診療してくれる在宅医との連携もお元気な内から重要ではと感じています。
通院が難しくなった時には、医者や看護師に訪問してもられるような、在宅療養支援診療所や定期巡回・随時対応サービス、小規模多機能型居宅介護などを利用することが大事で、地域にこうした取組があることをチェックしておくことが必要です。
4) 費用比較
セミナーを開催していますと、住まいの大事さは分かったが、では誰にいつ相談すればいいのか、住まいについてどれほど費用がかかるかといったご質問がとても多く寄せられます。例えば施設に入所すると、民間ですと毎月の費用は平均20万くらいかかり、6年になるとおよそ1,500万となります。こうしたお金に関することは生命保険会社のホームページなどで紹介されていますが、住まいのことを併せた相談については、後程このセミナーで「こままど」についてのお話があります。皆さまには、今日をきっかけに、家族で家の将来のことをぜひ検討していただきたいと考えています。
また『介護・老後で困る前に読む本、親子で備える知恵と早期の選択』(NHK出版)を発刊してもらいました。元気なうちに始めるべき備えと人生100年時代のポジティブな生き方が述べられております。ぜひご参考にしてください。
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