こままど」キックオフイベント「まちと住まいのこれから」<
第一部 講演
(1)基調講演「40歳代から親子で考える自宅&実家〜これから住みたい人にも役立つまちと住まいの条件」
(一社) 高齢者住宅協会理事 吉田肇氏
1) 住宅資産の価値を把握
今は90歳から100歳まで生きられ、お子様が60歳から70歳、お孫様が40歳から50歳ということが当たり前になりつつあります。高齢化で要介護者が増えますが、今は病院や介護施設数をもうこれまで以上に増やすという時代ではないですね。
空き家もあと20年で2倍ぐらい増えると言われています、空き家の原因は約6割が相続と考えられます。家の所有者が亡くなった後も子供さん方はみんな別世帯を持っておられて、結局その家は誰も使う人がおらず空き家になっているということです。自分の家どうするかを決めないまま、病気で倒れられる方々が結構いらっしゃいます。ご自宅が将来空き家になりそうかどうか皆様の「住宅資産」がいくらで売れたり貸せたりできることを元気なうちに確認しておくことが大切です。ほとんどの方が年金や預貯金など、「金融資産」は把握していますが、自宅にしてもご実家しても「住宅資産」が将来いくらになりそうかということは、立地性とか日当たりとかも影響して、物件ごとに結構異なります。家の不動産査定を行うとなると朝から晩まで営業が来て大変になるから嫌だとおっしゃる方が多いのですが、今はNPOなど、すぐ売買するということではなく、「住宅資産」がいくらになりそうかとの相談に応じているところがあります。
私どもの高齢者住宅では、今から20年前とは異なり100人中およそ20人の方が、司法書士とか弁護士など、ご自分の身内ではない方が身元引受人になっておられます。
皆さま、子供に迷惑かけたくないということをよく言われます。しかし高齢になると認知症で財産管理や自宅を売るか貸すかなどの判断は自分ではできなくなります。住まいの選択肢は自宅に住み続けるか、サービスを受けやすい住宅に住み替えるかですが、成り行きにまかるということは家族の選択にまかせるということです。90歳近くになって介護施設に入られる方の、入所をだれが決めたかというと、ほとんどが息子さんや娘さんといったキーパーソンで、本人ではないのですね。任意後見人制度を利用するかなどの検討を先送りしていますと、結局は子供に迷惑をかけることになります。
先日行った静岡のセミナーでは、半数以上の参加者が将来いずれかの時期には子供の近くに住み替えたいとのことでしたが、ではいつ住み替えるのかということがあります。生活に何らかのサービスが必要になってからの寿命は、ご本人が予想しているよりも長いとのデータもあり、何らかの準備が必要と考えております。地域の介護サービスや医療のことを確認し、家財整理などを行い、ご自宅をどうするかを決めておくなどを、ご自分で判断ができるうちに決めておくことが大事と考えられます。
2) 家があぶない
弊社グループの高齢者住宅の紹介・相談センターに相談に来られる方の約8割は実家の親が突然倒れられたという子世代からの相談のケースです。親は病院から家に戻りたいと言っているけれども、自分や兄弟も仕事があるし、どう考えても無理だから、どうすれば良いのか、相談に来られる方が多いですね。
多くの方は自宅で最期を迎えたいされていますが、全国ではほぼ8割近い方が病院で最期を迎えられます。また、65歳以上の方で、介護保険を使っておられる方はおよそ2割で、皆さまそれぞれ疾病はお持ちですが、要介護になるきっかけは自宅で転倒といったケースが大半です。転倒は外ではなく、主に家の中で起きています。住み慣れている家のどこが危ないのかっていうのを予め知っているかどうかは大きな違いです。
転倒は階段を上るときよりも下りるときに発生しますが、上り下りに使う手すりを右側にするか左側にするかは利き腕により異なります。自宅のどこが危ないかをご確認いただく必要があるのではないかと思います。
« Prev
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
Next »