講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


1.東京編


3.食事と洗濯と入浴と
松村 日本に来て皆さんのライフスタイルが変化したことはありますか。
ロザリンダ 日本に来て変化したところは料理をするようになったことです。日本に来るまで料理の作り方を知らなかったのですが…。
それから、日本のレストランでは、メニューが絵付きで載っているので注文する時に助かります。中国に行ったときはメニューに文字しか載っていなかったので、食べたいものがわかりませんでした。そういう意味で、日本のメニュー表示は便利だと思います。日本の食べ物は、納豆以外はだいたい好きです。特にさしみは大好きです。
やはり、食文化の違いは最初に実感したことですね。特に印象的だったことは2つあって、その一つはお箸についてです。と言うのも、韓国の食事では箸よりもスプーンを多用するんですね。でも、日本の食事ではほとんど箸しか使わないので、食べ方が変わりました。また、韓国の家庭で使われている箸は一般的に鉄でできていますが、日本の箸の多くは木でできている点も違いますよね。もう一つは、マナーの違いです。韓国では器を持って食べてはいけません。スープでも皿を置いたままスプーンでいただきます。日本はお茶碗を手で持って食べますよね。
マニュエル 私にとっての大きな変化は、なんと言っても靴を脱いで家に入ることです。もっとも、これに関してはすごく気に入っていて、国に帰ってもこの習慣を続けようと考えています。
マルガリータ 私は洗濯物の干し方が気になりました。日本では通り側にバルコニーがあって、そこに洗濯物を干しています。不特定の人に洗濯物が見られても平気なんですよね。でも、私は恥ずかしくて抵抗を感じます。私の国の場合ですと、ウォッシングエリアは必ずバックヤード側に位置していて、決して通りからは見えないようになっています。まあ、アパートでは共同物干し場が屋上に設けられたりもしますが、いずれにせよ、見ず知らずの人に見られるようなことはありません。また、日本では洗濯機をお風呂の隣に置くようですが、私の国ではたいていキッチンの横に置いてあります。祖母の住んでいるアメリカでもそうでしたよ。
マニュエル そうそう、メキシコでも洗濯機はキッチンの横に置きますよ。
佐藤 あれ?金さんや陳さんは同意していませんね。ということは、洗濯機をお風呂の近くに置くのはアジア・スタイルなんですかね(笑い)。
でも、トイレと浴室が別々になっているのは日本式じゃないですか?小さなワンルームマンションなどでは一緒の場合も多いようですが…。うちはワンルームですが別々になっていて、これは良いと思いますね。
佐藤 それはグレートの高いワンルームですね。小さなワンルームの多くはホテルと同じような形式ですから。韓国ではトイレと浴室が一緒になっていることが多いのですか?
普通は一緒になっています。
マニュエル bathroomとrestroomが別々になっていることは私も良い事だと思います!
松村 そうか、それが良いところだとは初めて聞きました。
それから、日本人はお風呂に入るのが好きですよね。私もお風呂の習慣は大好きです。
松村 韓国では体をどこで洗いますか。浴槽の中ですか、それとも浴槽の外ですか。
どちらも使います。
松村 そうですか。ほとんどの国では浴槽の中で体を洗いますね。ですから、ヨーロッパやアメリカの浴室は浴槽部分のみに防水加工が施されています。しかし、日本のお風呂は浴室全体に防水が施されています。日本人は浴槽の外で体を洗う習慣がありますから。この習慣が良いと言う海外の人は多いようですね。



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