郊外住宅地再生フォーラム2022
暮らしを豊かにするプロジェクトデザインとマネジメント
■第2部:パネルディスカッション■
<開催日時・場所>
園田眞理子氏 (アーキテクト)
室田昌子氏 (東京都市大学 教授)
大月敏雄氏 (東京大学 教授)
樋野公宏氏 (東京大学 教授)
高見淳史氏 (東京大学 准教授)
阿部千雅氏 (財団法人日本下水道新技術機構)
小泉秀樹氏 (東京大学 教授/コーディネーター)
(1) 趣旨説明 (東京大学 矢吹特任助教)
1) 郊外住宅地を取り巻く国の動き
国は郊外住宅地再生に向けた都市計画の枠組みや支援制度を準備しています。
①
郊外住宅団地再生の手引き:2022年3月に国土交通省は自治体向けに郊外住宅団地再生のガイドラインを公表しました。郊外住宅団地に関係する様々な主体をどのように巻き込んでいくかに焦点をあてた手引きとなっています。
②
地域住宅団地再生事業:2020年の地域再生法改正で創設された事業です。まちの将来像に向けた、用途地域や地域福祉、公共交通など様々な分野を横断した取組みや、地域再生法の枠内での規制緩和を進め、生活利便性の充足を推進するものです。
③
居住環境向上用途誘導地区:2020年の都市再生特別措置法改正で創設された地域地区です。立地適正化計画の居住誘導区域内において、小規模な病院やスーパー、コワーキング施設等、居住環境向上施設の立地について用途や容積率が緩和されます。
2) 首都圏のニュータウンの用途地域の概況
首都圏の各ニュータウンの中心から半径500m圏を抜き出して用途地域を調べてみますと、1低層 (第一種低層住居専用地域) が多い都県と1中高 (第一種中高層住居専用地域)が 多い県のあることが分かりました。
現在の用途地域は、50年近く前、1974年の用途地域指定の影響を強く受けています。それまで4つだった用途地域に対して、1974年には8つの用途地域指定が行われました。そして1974年に第一種住居専用地域に指定された地域が概ね現在の1低層、第二種住居専用地域が概ね現在の1中高に指定されました。
横浜市では、過密防止や住環境保全を重視して1低層を広めに設定したため、1低層が政令指定都市で最も多い都市です。
このように用途地域指定は、過去の行政の都市制度運用の考え方に起因しています。
3) パネルディスカッションの論点
郊外住宅地は様々な課題を抱える一方、コロナ禍の中での新たな働き方の可能性や郊外が持つ魅力・地域資源が再評価されています。
本日のパネルディスカッションは「暮らしを豊かにするプロジェクトデザインとマネジメント」をテーマにしたものです。次の論点での議論を考えています。
①
ビジョン (広く共有されるビジョンの策定、法的な枠組みによるサポート、地域の機運の醸成)
②
プロジェクト (ステークホルダー、推進体制、ニーズ/シーズ、資金、パートナー、事業制度・支援制度の活用、事後評価、評価後の展開)
③
マネジメント (プロジェクトマネジメント、まちのマネジメント)
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