郊外未来デザインに迫る:俯瞰と仰望

3) 上郷ネオポリス (横浜市)

 上郷ネオポリスでは建築協定によって、建物用途や敷地再分割などの制限がなされ、閑静な住宅地が形成されています。
 野七里テラスは地域の方々が運営に参加する、コンビニ併設型コミュニティ施設です。5年ほど前、我々がお手伝いした住民アンケートで、最も多かったニーズは買い物と高齢者支援でした。それらを解決する手段として、買い物サポートが行われるコンビニと、高齢者が気軽に休んだり交流したりができる場の併設施設が2019年10月にオープンしました。一低専に指定されていますが、建築基準法第48条許可の手続きで設置できた事例です。
 地域の皆様はとても熱心にまちづくり活動に取り組んでおられます。野七里テラスがオープンして間もなくコロナ禍がはじまりましたが、色々と工夫されて、七夕まつりや花火大会、野七里テラスからのお弁当宅配実証、新しいICT事業などまちづくり活動を継続展開されています。

4) 新百合ヶ丘 (川崎市)

 新百合ヶ丘では、駅周辺部は商業施設が立地していますが、北側の斜面地では地区計画 (向原地区・万福寺地区) により、純然とした住宅地が形成されています。
 こちらでは小田急電鉄様がMaaSの社会実験を行っており、我々はそれに合わせる形で住まいと交通に関するアンケート調査を実施・分析しております。また、ミサワホーム様と協働で、戸建て住宅の敷地空間とその前面道路の空間のエッジ部分のデザインについて、基礎調査とアンケート調査を進めています。 fig3

5) めじろ台 (八王子市)

 こちらは京王線の駅周辺の地区で、駅の利便性は高いところです。駅周辺は近隣商業地域ですが、その他は一低専で閑静な住宅地が形成されています。地区計画が策定されており、駅周辺では共同住宅が可能ですが、その他では共同住宅が制限されています。
 高齢者の多い地区ですが、高齢者も参加した、ZOOMを使ったミーティングを通して「まちづくり憲章」をつくったと伺っています。また、憲章をつくるだけではなく、プロジェクトチームをつくってベンチを置いたり、広場を改修したりするようなプロジェクトを積極的に展開されています。 fig4