講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』
コミュニティ大工という生き方(2)−栗のや、
有木円美さん
愛媛大学法文学部在学中にグリーンツーリズムに関心を持つ。鹿児島県にUターン後に加藤潤さんと知り合い、地域おこし協力隊として南大隅町に移住。現在は「いなかを楽しむ宿 栗のや、」を運営しつつ、コミュニティ大工として南大隅町の空き家改修に携わる。




1. 南大隅町に移住するまで
2. 南大隅町のグリーンツーリズムの特色
3. 海と山と町、どこに住みたいか?
4. DIYerからコミュニティ大工へ
5. 南大隅町での日々
6. まとめ



1. 南大隅町に移住するまで
松村:  有木さんが地域おこし協力隊の一員として南大隅町に移住してきたのは2017年のことと聞いています。現在は「いなかを楽しむ宿 栗のや、」を運営しながらコミュニティ大工としても活動しています。まずは南大隅町に移住するまでを教えて頂けますか?
有木:  出身は鹿児島市吉野町です。愛媛大学法文学部の地域づくりを学ぶコースに進学しまして、ゼミでは都市部から農村まで様々な地域のフィールドワークを行いました。その中でピンときたのが高知の農家レストランです。お母さん方が地域に根差して魅力的に働いていたんです。卒業後は、その様なグリーンツーリズムに携わりたいと思いながら鹿児島県に戻り、長島町の農家に住み込んだり姶良市の直売所で働いたりしました。そうしているうちにフィールドワークへの関心がさらに高まり、鹿児島大学の大学院に進学したりもしました。鹿児島県は修学旅行生の民泊受け入れが盛んなので、その実態をヒアリングして回ったりしました。また修士2年生の時には、交換留学でスロバキアにも行かせてもらいました。
鈴木:  海外のグリーンツーリズムも体験されたわけですね。
有木:  すごく楽しい体験でした。伝統的なチーズづくりの夜の作業など、一緒に生活しないと見られない現場にも立ち会えました。グリーンツーリズムと言っても様々で、自然遺産のそばにある観光系もあれば、超田舎にあって行きづらいところもあります。観光系は周遊する観光客が中心なんですけれど、ローカル系はホストファミリーと共に土地ならではの体験ができました。



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