講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


8.居住者インタビュー(2)離れのようなコモンハウス
鈴木:  コモンハウスはどのように使われていますか。
小林:  うちは冷蔵庫も洗濯機もお風呂も全部コモンハウスを使っています。子供が2人いるので、できるだけ家を広く使いたいと思って。食材をいちいち家まで運ぶのは面倒だろうと必ず聞かれるんですが、慣れてしまえば気になりません。勝手口がある北側には軒が続いているので天気が悪い日も大丈夫ですよ。
鈴木:  住戸ごとにプランは異なるんですよね。事前に勉強会を開かれたと伺いましたが、どのような要望をだされましたか?
小林:  一つの部屋がいかようにも変化できるようにお願いしました。現在も2階の寝室は夫の仕事場と子供の遊び場を兼ねています。
山田:  4戸とも大きさは3間×4間で外観の雰囲気も似ていますが、プランは全く異なります。増築は難しいですが、今後仕切れるようにはなっています。家族の変化は当初のプログラム通りにはいかないものですが、小林さんの住戸には子供の成長を考えてロフトが設けられています。
西田:  竣工して間もなく東北地方太平沖地震が起きましたが、どう思われましたか。
小林:  友達にも、わが意を得たりじゃないのと言われましたが、放射能だけは意外でした。
山田:  震災直後は毎晩コモンハウスに集まって過ごしましたし、その後の東北支援の取り組みでは、コモンハウスが藤野からの援助物資の集積所として使われました。暮らし方の試みとしては、次の時代の良い例になっているんじゃないかと自負しています。



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