講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


7.居住者インタビュー(1)藤野への移住
鈴木:  小林さん一家は2006年頃に藤野に移住されて、まず駅前の集合住宅にお住まいだったとのことです。その後、この土地の1区画を購入されて「里山長屋」が建てられるきっかけとなったそうですが、その経緯からお聞かせいただけますか。
小林:  藤野に来た理由は色々とありますが、もともとパーマカルチャーの講座に通っていて楽しい土地柄だと感じているうちに、子育ての環境としてもいいんじゃないかと思うようになりました。

パーマカルチャーに興味を持ったのはエコプロダクツ展で本を見かけたりイベントで見かけたのがきっかけです。私も主人と同じ環境系の会社に勤めていたのでそういう機会があったんですね。もっともその会社に勤めるようになったのは本当に偶然で、私自身は環境的なことには興味がなかったんです。たまたま学生時代にアルバイトに行った会社の業務が環境に関係していて、そのまま就職したら関心が高まっていった感じです。
佐藤:  学生時代から環境関連の勉強をしていたわけではないんですか。
小林:  全然そういうことはなかったですね。大学では第三世界の支援に関する勉強をしていましたが、何か行き詰まっていたんです。結局何も変えられないじゃないかと。でもパーマカルチャーに出会って、自分の足元の生活から変えていく考え方に共感しました。
鈴木:  この長屋での生活はいかがですか。
小林:  建物でこんなに快適感が変わるとは予想していませんでした。私は千葉県の松戸市の出身でずっとマンション暮らしでした。通った学校も戸建住宅に住んでいる生徒はほとんどいないような土地柄でした。ですから一軒家暮らしのイメージが涌かないし、漠然と面倒じゃないのかなとも思っていました。戸締りをすごく頑張らないといけないとか。
西田:  私も最近戸建に引っ越しました。確かに戸締まりの手間は増えましたが、マンションに比べると遥かに快適ですね。ところでここに引っ越してからお子さんに何か変化はありましたか?
小林:  外に一人で出せるようになりましたね。アパートの2階にいた頃は1階に出すのが私も本人も怖いところがありましたが、この長屋では誰もいないということはまずありませんから。今は勝手に山田家に行ったりしています(笑い)。



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