横山夫妻の話の中で特に印象に残ったのは、車社会を前提に変容した町の構造が、車を用いない子どもたちにとっては、ある意味危険な空間(例えば人気のない通学路等)を生出すことになるという話です。
子育て期の家族を前提に開発された住宅地が、高齢者にとって不便でやや危険な場所になり得るというのも同様ですが、町の持続性を考えた時に、特定の年齢層や特定のライフスタイルを前提として生まれた空間構造はうまくないのではないかということです。
今年のこのHPのテーマは「郊外」ということにしていますが、現在の郊外はやはり子育て期の核家族・サラリーマン世帯のライフスタイルに向けて編成されています。これをどういう世代のどういうライフスタイルに向けて再編するのか。大変難しいですが、郊外住宅地を建設した時と同じような熱意とエネルギーをかけて考えていかなければならないテーマだと思います。
このあたりは、前回の角野先生のお話、或いは以前の沖縄レポート等、このHP上にも参考になる話は色々とあります。皆さんにも考えて頂ければ幸いです。
(松村秀一)
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