講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


9.質疑応答1:DIYから広がる物作りのある生活
松村:  DIYをやっているご自身の技能が日々向上しているというのは分かりますか?
中野:  それはもうはっきり分かります。例えば、ノミを使った場合、ホゾ一つ彫るたびに一つ一つ覚えていきましたね。

今はほとんど家ではやらなくて、榛名の方に行ってやっています。カンナで削ってカンナくずがすっと出てくるとうれしくて、木を読み取ったなという満足感があります。それでだんだんと木工オタクというか、変な世界に入って行くわけです。
松村:  今でも作り続けているのですか?
中野:  こつこつやっています。次はさらにデッキを拡張しようと準備しています。子供たちがあれ作ってくれこれ作ってくれと言ってくるのですが、それに関しては図面を書いて部材を切り、自宅で組み立てるという感じです。
松村:  やはり大抵の物は図面を書いて作るのでしょうか?
中野:  そうですね。作図という点では花子は便利ですね。現在はJWCADなども使っています。方眼紙などで検討する場合もありますが、きちっとやらないと破綻が起きると思います。
松村:  前々回に訪れた所沢のDIYerの方も、すごい原寸図を描いていましたね。やはり不安だとおっしゃっていました。図面で納まりを確認しない限りは突っ走ることは出来ないと。
中野:  僕もそうですね。昔は自宅にもドラフターがありました。やはり目の前で三面図が起きていないと不安でしょうがないです。
松村:  お子さんの教育を含めてですが、家を作ることが野菜を作るということなど、自分で作るという他の行為にも広がって行くということはないのでしょうか?
中野:  それはありますね。僕は燻製を延々と作っています。今はサーモン丸々一匹の燻製を作る準備をしています。
西田:  それは誰かに教わったことなのか、それとも試行錯誤の末に学んだ物なのか、どちらなのでしょうか?
中野:  燻製は自分で色々な本を調べて真似しながら少しずつ工夫していったという感じですね。工具の使い方に関しては、大工さんに教えてもらったことが大きかったですね。やはり全く違うなと思いました。
松村:  DIYをやっていると職人の腕が自然とすごいなと実感出来る、と本の中で書かれていましたよね。
中野:  ノミとカンナのところですね。
松村:  様々な物をお作りになるのは、住宅や家具といった色々なDIYをやり始めてから、あれもやってみようかという前向きな気持ちが増えていったということなのでしょうか。
中野:  そうですね。DIYは非常に大きなきかっけになりましたね。



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