講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


5.快適な日常生活を得る手段としてのDIY


快適な日常生活の話にもどります。自分や家族が使いやすい物は意外と手に入らないと思うんですね。やり始めてつくづく思いますが、ナイフとハンマーは使い始めると柄が手に合わない、自分で少しずつ削って使いやすくようにしないとやはりだめだと思います。ちなみに、剣道の竹刀はその典型で、買ってきた物はそのままでは使えなくて、自分の使いやすいようにしないととても手にも合わない。体にも合わないですね。



子供たちが成長し、それぞれに自分の部屋を持たせた時にそれを痛感しました。長男は左利きで、長女は右利きだったので机の配置などを考えないといけなかったのですが、これが大変で売っている学習机が本当にいいのかという疑問が出てくるわけです。あとは机の高さも成長に合わない。そうして、だんだんと自分たちの家族が欲している物ってないのだなと感じるようになってきたのです。



最悪だった物が本棚で、深すぎるわけです。仕事がら、文庫本、新書、委員会などのファイルが多いのですが、棚の高さは調整出来ても深さは調整出来ない。深さは一律なので普通の本棚を買うとスペースがとにかく無駄になります。ですからうちは本棚を一つも買いませんでした。全部自分で作らざるを得なかったわけです。必要に迫られたというのがDIYの次のステップだったわけです。



これは榛名の山荘の窓です。開口部を出来るだけ大きくしたいと考えたのですが、大きな窓枠が売ってないわけです。素人には手に入りにくい。窓枠だけを業者から買うと、自分の好きな木材の雰囲気と合わず、気に入った物がないため、これも自分で作らざるを得ないことになりました。そういうことの連続でした。



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