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3.大浜の空き家リノベーション:借りながら使い途を考える
陶山:  お弁当屋をしております。ここでお惣菜販売をするつもりで、改修に取り組んでいます。以前は社会福祉協議会で働いていまして、その時の知り合いからお借りしています。空き家を探しているという話をしたら、「うちの実家が空いているよ」と言って旧宮田小学校前の建物を紹介して頂きました。
加藤:  陶山さんは、コロナ禍前からこの建物を借りていたと思います。改修に着手するまで結構時間がかかりましたね。
陶山:  当初はNPO法人アースハーバーの拠点にしようと考えていたんです。この団体は旧宮田小学校で空き家査定ワークショップなどを行ったりしていましたが、私がなかなか補助金を獲れず、そうこうしているうちにNPOの中心メンバーが引っ越しちゃった。でも「地域のために使ってくれるなら」ということでオーナーさんが貸して下さったので、何らかの形で使いたいと考えていたんです。
加藤:  正直言って、初めて見た時は手に負えないかもしれないと思いました。根太はボロボロで踏むとボトッと落ちてしまう。ひどいシロアリ被害という印象でしたが、調べてみると床下地くらいで済んでいた。床下から天井裏まで見たところ、土台はいかれてなかったし、柱や梁にシロアリ被害は見られませんでした。
陶山:  そういう状態でしたから、シロアリがひどい部分は土間にしちゃいました。オーナーさんも「お金は出せないけど自由にしていいよ」と言って下さいましたから。
鈴木:  コミュニティ大工の現場には様々な人が参加します。この建物の場合、どういう方法で参加を募るんですか?
陶山:  町内メンバーのLINEグループがあるので、そこに伝えています。一つ読んで見ますね。「お疲れ様です。大浜空き家に13から16日、加藤さん来られて作業します。ご都合よろしければ参加お願いします。見に来てもらえるだけでも嬉しいです」といった具合です。こうした連絡で2、3人がやってきます。作業に参加する人もいればおやつを持ってきてくれたりする人もいます。
黒木:  私は県庁のコミュニティ大工クラブのLINEグループに伝えています。現在37名が所属していて、ここの作業には課長クラスの職員が加わりましたし、女性職員も参加しています。
加藤:  彼女たちは、ここで初めて石膏ボードを張ったんですよ。
陶山:  石膏ボード張りは初心者に向いているかもしれませんね。カッターで切れますし、張り方も少しくらい隙間があって構いませんから。




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