|
|
|
松村: |
今回は久留米市にある「コーポ江戸屋敷」にやってきました。『ライフスタイルを見る視点(第43回)』でも少し紹介のあった事例です。
|
|
吉原: |
コーポ江戸屋敷は、西鉄久留米駅から2.5kmほど南にあります。賃貸マンションとしては、かなり前から経営困難に陥っていましたが、高齢の前オーナーにとっては思い入れがあり、建物を壊さない売却先を探していました。ちなみに「江戸屋敷」はこの辺りの地名です。かつて久留米藩には、江戸常駐の家臣がいました。明治維新後、帰郷者の屋敷がこの辺りにまとめて作られ、こうした地名が付いたそうです。
|
|
松村: |
スペースRデザインが引き継いだ時、コーポ江戸屋敷はどんな状態でしたか?
|
|
吉原: |
入居者は結構いました。しかし、リノベーションに取り組むと、空室が埋まる一方で続々と退去者が現れてしまいました。実はこうした現象は、しばしばあることなんです。新たな取り組みを行うと、違和感を覚えた入居者が出て行ってしまう。コーポ江戸屋敷の場合、前オーナーは敷金・礼金なしで入居者を集めていたんです。要するに割安感に引きつけられた入居者が多かったので、家賃の上昇傾向を感じて出て行ったようです。結局、この辺りの家賃は5万円程度が上限になっていることを踏まえて、コーポ江戸屋敷の付加価値創出に取り組むことになりました。
|
|