スマート化とwith/postコロナのまちづくり


(7) コロナの影響下でまちづくりをどう進めるのか?

 郊外住宅地でも楽しめる場所を創るという重要戦略に関して、コロナの影響で実験的な取組みも難しくなっています。例えば、小布施町とは協定を結んでいて、コミュニティラボを設けており、アンケートやまちづくりの計画案づくり、現地の居場所づくりなどを2020年2月に開始していたのですが、コロナにより全くできなくなってしまいました。 そこでどう工夫したかというと、小布施町に留まっていた学生たちが現地で新しいまちづくりのワークを行い、東京の学生たちとはインターネットを介した協力活動を進めています。これは学生たちが考案した先進的な方法と考えています。

(8) 研究室プロジェクト【郊外未来DESIGN LAB】の紹介

 後藤智香子先生が中心になって、東大の中に郊外住宅地再生社会連携部門を立ち上げています。上郷ネオポリス・こま武蔵台・新百合ヶ丘などのケーススタディのエリアがあり、それぞれのエリアでの模索を行っています。
 例えば上郷ネオポリスでは、夏に自分の庭先や街路を使った七夕祭りを開催し、まちを丸ごと七夕にする試みが行われました。コロナについては、その状況に応じて、皆でつくった居場所である野七里テラスでモビリティの実験を行うなど、集まれるときはうまく居場所を活用して、集まれないときにはなるべく影響が少ないようなやり方を考えようという、ポジティブな取り組みを進めています。
 こま武蔵野台では、高齢者の方が多いため、ご高齢の方もZOOMが使えるように勉強会を開催しています。そこで、次に向けた戦略を練っている状況です。勉強会では、横浜国大の野原先生に郊外住宅地再生の取組みのお話をしていただいて、地区の取り組みから何が学べるかということを考えています。
 また、目白台でもZOOMを活用したワークショップをやっています。このように、少なくとも1〜2年はデジタルツールをうまく活用しながらできることを一生懸命やるというのが大事なのかなと思います。ポストコロナの街づくりに向けた具体的なアクションを考える段階になるのではないかと思います。