住生活基本計画の中間取りまとめを受けての
 民間プレイヤーへの期待

住団連:私の妻の実家は誰も住んでいなくなったので、とりあえず空き家バンクに登録をしたところ、十数社の宅建業者が来られました。ところが、私のところで民泊にしたらどれくらいで売れますよとか、地元の施設として使えばどれくらいで買ってくれるところがありますよとか、家は立派だけど取り壊して土地を分割するしかないですねとか、言っていることが全然違うのですね。こちら側に心構えや予備知識がないと、色々な話が飛び込んでくるので、どれを選んでいいかわからないですね。騙されているのではないかなと思いますよね。それはリテラシーに関わる話だと思うのですが、住団連の中でもリテラシーは大事な言葉として取り扱われています。具体的に国民の住宅リテラシーや生活リテラシーを高めるために僕らは何をやればいいんだろうとなった途端に、行き詰まってしまいます。国民のリテラシーを高めるために、住宅産業界としてできることのアドバイスがあればお聞かせいただければと思います。
大月教授:こういう人がみたら、こう使いたがるはずだということこそが、市場のマッチングですね。こんな投資をしたら、こういう買い手が見つかるかもしれない、 そこから先は100%保証できないけれど、可能性としてありますということですね。 家を使う可能性、住む可能性、財産として見る可能性、地域の福祉的なものに役立つ可能性、トンボ池にしたらCO2削減にいいのではということもあるかもしれません。相談に携わる人が土地・建物の価値・可能性を詳細に見て、実現にはこういう条件が必要ということを示し、お客側もリテラシーをもって対話することが重要だと思います。それが相談に携わる人の収入にフィードバックされる仕組みが整えばと思います。困っていることを信頼して相談できることが、国民の気持ちの安定やこの国に生まれてよかったなと思う瞬間につながると思います。
住団連:ハウスメーカーが相談の窓口になるというと、やはり騙されるのではと警戒されることがあると思います。相談の内容はハードや金融、生活にまでつながると考えられます。どの立ち位置の人が相談役になればいいのか。民間がインストラクションを行うことでの収益があるのか。ある程度は行政に入った方がいいのか。 その辺のポジションというのはどういうふうに考えた方がいいのでしょうか。
大月教授:ファイナンシャルプランナーのような方々はたくさんおられます。国民から信頼される士業の方々もおられます。国は士業のような資格を増やさないことが基本方針だと思いますが、もし住まいの総合相談の資格ができたとしても、地域で暮らしている高齢者の課題にどう対処するか。高齢者の状況は地域包括センターやケアマネージャーなどが把握していますが、地元の不動産会社が状況をあまり知らないまま相談を受けるために、住宅の流通や再投資につながっていかない。居住支援協議会について民間のハウスメーカーは全く関係のない世界と認識されているかもしれませんが、 本当はそういうところに高齢者の状況をよく分かっている人がおられます。ありがちなのは、施設入居をして空き家になったけれど、本人は空き家と思っていない。そういう場合には定期借家というのがありますといったアドバイスができればと思いますが、居住支援協議会の中で定期借家など知っている人はほぼいない。「ハウスメーカーの社員です」と言うと、福祉側からはとても警戒されるので、 やっぱりファイナンシャルプランナーのような肩書を持って、フリーランスでやっているとか、いくつかの会社で駆け持ちしていますとか、そういうことでもいいと思います。 囲い込まないということが最も重要です。住団連さんのような横つながりの組織がバックアップすることがいいのではないかと思います。
以上