講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』



3.プロのホームセンター利用
松村:  馬渕さんのお話によると、今は壁紙でも色々なタイプの糊が付いた商品があるということでしたが、そのようなDIY向けに工夫された商品が増えているという実感はありますか。
高山:  確かに壁紙メーカーは、一般の方を意識して、糊付きの商品を販売するようになりましたね。また、プロの方にとっても手間が減るということで、そうした商品を少しずつ導入するようになってきました。
松村:  一般向けに使いやすく製品化されたものが、作業性が良いという理由で職人にも徐々に使われるようになったわけですね。逆に、職人向けに開発された作業性の良い商品が一般の人にも使われるようになったという例はありますか。
高山:  それもあります。例えば、住宅の外壁は、塗壁からサイディング張りの壁に変わりつつあります。おかげで職人さんは短時間で作業できるようになりましたが、一般の方でも少し知識のある人でしたら作業は可能です。
松村:  価格についてはいかがですか。かつては、職人はプロのルートから仕入れるので、素人が店舗で買うよりもはるかに安い値段で購入できると言われていましたが、価格的には境目が無くなってきている感じですか。
高山:  境目が無くなるまではいかないと思います。ただ、急遽部材が必要になった場合などは、少し高くてもその場しのぎの部材を私共のホームセンターなどへ買いに来る職人さんはいらっしゃいます。それから、現場に道具を持ってくるのを忘れた職人さんが、慌てて道具の調達にやって来られたりするのを時々見かけますね(笑い)。

また、職人さんでも加工室でのカットサービスをご利用される方も多くおられます。加工賃はしれていて、10回切っても400円位です。まあ、完全に無料というわけにはいきませんので、刃の研ぎ代に相当する程度は、と思っております。カット代は人件費を賄うまでには至っていませんから、ほとんどサービス感覚でやっています。


前ページへ  1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  次ページへ  


ライフスタイルとすまいTOP