講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』



3.馬淵さんのDIY その1:居間の拡張
松村:  馬渕さんの家で、実際にDIYをされた箇所はどちらになりますか。
馬渕: 
先ずはこの部屋です。昔ここに間仕切りがありまして、向こう側に子供部屋があったんです。ここにドアーの丁番の取外し跡が残っていますでしょう。この部屋を使っていた娘が嫁に行ってしまったので、もともと狭い家なんだから間仕切を取っ払って広い部屋にしようよ、なんて事から始めたのですが、構造上どうしてもこの2本の柱は取れなかったので表面を化粧張りして飾り柱に誤魔化しました。本格的といえばこれが最初の大掛かりなDIYの試みでしたね。
松村:  この工事にどれくらい日数がかかりましたか。
馬渕:  かれこれ一ヶ月はかかりましたね。エレクトンとピアノがあったので、それを一人で動かしながら床のフローリングを貼っていきました。何せ一人社長兼労務者兼施主の世界ですからね。大変でしたよ。ただ誰にも気兼ねなく出来るというところが魅力でしょうか。
松村:  もともとの仕上げは何でしたか。
馬渕:  杉の縁甲板の上にカーペット敷きでした。始めるにあたってはずいぶん躊躇しましたけどね。とにかく思い切って自分が観念するまでぶっ壊してしまうんですよ。そうすると、もう後戻りはできない、前に進むしかないんだと開き直りますから。(笑い)。
松村:  かなりの決断が要るわけですね。これはかなり大きな工事だと思いますが、このときは、既にアドバイザーの資格を取っておられましたか。
馬渕:  取っていました。でも今だったら、もう少しましな仕事が出来たんじゃなかったかなと。
松村:  このご自宅は何年前の建物ですか。
馬渕:  昭和39年に引っ越してきたので、一番古い部分で40年前の建物になります。最初は11.5坪の平屋建てで増築々々を重ねてきました。
鈴木:  二階建てに増築する時はプロに頼まれたんですか。
馬渕:  勿論、それはそうです。二階が最後の増築でして、それも古い方では30年以上前になります。


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