講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


7. 基町の記憶を呼び起こすー地下倉庫プロジェクト
板井:  基町高層アパートには地下倉庫があります。6コア自治会に任されているスペースは、かつて5コアと共同で使っていたようです。広島大学の角倉・石垣研究室と一緒にその整理に取りかかって1年間ほど経ちます。引っ越す人たちが家具や食器などを置いていったようで、使い途があるかどうか疑問に思う物も多いです。ショッピングセンター側にも入口があって、その辺りは商店の物置みたいになっています。
松村:  その倉庫を使ったイベントを考えているそうですね。
板井:  放置されていた物を見やすく並べて、捨てて構わないのかどうか判断するための展覧会をする予定です。住民の方々に見に来てもらって、基町の記憶を呼び起こす祝祭的なイベントになればと思っています。
鈴木:  基町高層アパートはかなり特徴のある団地です。状態の良い物は残してかつての生活を追体験できるようになると面白いかもしれません。アメリカの場合、ニューディール政策によって建設されたグリーンベルトにそうした展示が常設されています。
松村:  レヴィットタウンにも、かつての職業訓練校にそうした展示があります。写真はもちろんのこと昔のソファーセットなどもあって、生活の移り変わりが見られます。
板井:  確かに基町の記憶をそうした展示として残しておくのは意味がありそうです。参考にさせて頂きます。
(インタビュー原稿素案:榎優志(広島大))




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