講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


4. プロの参画とサポーター
加藤:  参加者を見ると、建築のプロが結構含まれています。意外と建築士の方が面白がって参加してくれたり、設備屋さん、塗装屋さん、左官屋さんといった方々の参加もあったりします。20〜30代のプロの大工さんが参加してくれたことや、20代で大工を辞めちゃった人が参加してくれて、楽しいねって言ってくれたりします。もちろん学生さんは多くて、特に建築を学ぶ学生さんが目立ちます。学校の科目では現場の機会がないので、貴重な体験になっているみたいです。こうした人たち以外は、本当に建築にゆかりのない素人になりますが、さおりさんのように何回も参加していて素人の域を超えている人もいます。また黒木さんらの声がけで始まった「鹿児島県庁コミュニティ大工倶楽部」のメンバーは、現在は30人を超えています。
鈴木:  松村さんの本は、コミュニティ大工倶楽部のメンバーは10人ほどと紹介していたので、どんどんサポーターの数が増えているようですね。そうなるとサポーターの腕前を評価したくなったりしませんか。例えば、コミュニティ大工1級を示すワッペンを渡すとか。
加藤:  ダイビングのライセンスのようなシステムにしたら、ビジネスになるかもしれませんが、そういう雰囲気を持ち込んじゃいけないと思うんです。ビジネス感がないから、みんな楽しそうにやっているんじゃないですかね。もっとも上級編の現場になると、初めての参加者が3人くらいまでならなんとかなりますが、10人ともなると私以外にも教えられる人が数名はいないと現場がまわらなくなってしまいます。そこで、冗談めかしてドレスコードや心得集みたいなものを作ろうとは考えているんですよ。今日の現場は初心者向きとか、中上級者歓迎とか。コミュニティ大工の初心者が最初に参加する際は元気とやる気があれば十分ですが、2回目以降のレベル1だと自分の鉛筆、手袋、スケールくらいは持ってきて欲しい。少し慣れたレベル3だとインパクトドライバー、手ノコ、さしがねを持ってきて、その上だと高価な電動工具、最終段階はキャリア付きのバンやトラックもいうイメージです。コミュニティ大工の冊子を作って、レベルに応じた持参道具や心得などを遊び心を込めて10段階くらい載せようかと思っています。

 
  1. 松元さおりさん:観光ホテルのアルバイトをしながらコミュニティ大工見習いとして活動中。この1年の参加日数は100日を超える。



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