講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


6. ゴンジロウ塾の活動
岡部:  ゴンジロウ塾で、その次に手がけたのがバス停作りです。老朽化したバス停を建替えたいって以前から話していたのですが、学生の検討がなかなか進まなかったんですね。その様子を見かねたんでしょう、ゴンジロウの大家さんが突然ボソっと言い出したんです。「家を建てるための木が裏山に植えてあるから、バス停を作るなら使ってもいいよ」って。それがデザインの決め手になりました。ぼやぼやしていたら、台風で壊れちゃってさっさと作れということになった。道路脇のバス停は建築審査会にかける必要があって構造計算も求められる。でも裏山から切り出してきた丸太なので、計算のしようがない。そこで佐藤淳先生にお願いして、丸太の強度試験を含めて構造安全性の検討を行って頂きました。
松村:  贅沢なプロジェクトですね。佐藤淳さんと言えば、様々な話題作を手がけている構造設計者じゃないですか。
岡部:  ちなみにこのバス停は、地面から生えた数本の木に屋根が載ったような姿をしています。工事も学生たちが行いましたが、柱ごとに独立基礎になっているので、穴を掘って基礎をつくるのが一番大変だったそうです。




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