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シェア金沢にはブータンからの留学生が住み継いでいます。最初の留学生は学生住宅で寝るのが不安でメソメソしていました。ブータンは大家族のため、1人で寝た経験がなかったんです。そのことがサ高住のおばあちゃんたちに伝わると、泊めてあげるという有志が次々に現れて宿泊ローテーションを組んでくれました。その一方で、サ高住の方々はシェア金沢で暮らす障害児から元気をもらっていたりします。ハロウィンの時は、子供たちが来るのをそわそわと待っていますし、2014年にはわざわざ子供たちの好みを職員に聞きにきた方もいました。
私どもの職員には聴覚障害の栄養士がいます。ある日、サ高住の方々の生活改善指導に行ったら、メッセージボードが用意してあったそうです。子供がお絵描きなどに使う知育玩具がありますよね。ボードに付いているレバーをスライドすると、書いた字や絵を消せる道具です。わざわざそれを用意して待っていてくれたということで、その職員はとても喜んでいました。福祉施設ではどうしても「お世話する側」と「お世話される側」と分かれてしまいますが、こういう出来事を聞くとどっちがどっちかわかりません。このような関係をシェア金沢でどれだけ重ねていけるかが大事だと考えています。
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