講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


7.移住者に聞く:川内夫妻
松村:  川内さんご夫婦は家を新築して移住してこられたそうですね。どの様なきっかけで紀美野町に移住することになったのでしょうか。
川内:  初めに言い出したのは私です。以前は埼玉で勤めていましたが、54歳で退職して実家のある関西に戻ることにしたんです。妻はこうした暮らしをすることになるとは想像していなかったと思いますが、徐々に説得していきました。
田舎暮らしの場所をインターネットで探していたところ、和歌山県のページで紀美野町を見つけました。見学のときに「空き家があるので、試しに住んでみたらどうですか」と役場の方が提案してくれたので、試験居住しながらゆっくり考えてみることにしました。
松村:  いきなり新築を決断したわけではないんですね。
川内:  試しに住んだ空き家の大家さんが「空いている土地もあるよ」と言ってくれたので、新築して移住することにしました。大阪の友達は「和歌山は遠い」と言っていましたが、大阪から特急で1時間ほどですし、車でも2時間ほどですから住みやすいです。
松村:  紀美野町の暮らしはいかがですか。
川内:  都会にいるとストレスを感じることもしばしばでしたが、こちらでは自分たちが食べる野菜を作ったりしながらのんびりしています。たくさん収穫できると海南市のファーマーズマーケットに出しますが、これは小遣い稼ぎ程度で基本的には年金生活です。
松村:  買い物や医療はどうされていますか。
川内:  近隣の市町村へ出かけています。病院は車で15分くらいのところにあります。野菜は作っていますし、大概の物が通販で買えますからさほど不便は感じませんね。少し困ることと言えば、歩いて行ける飲食店がないので外で飲酒できないことくらいです。
松村:  都市部から田舎に移住してくると、地域の行事や習慣に戸惑うこともあると思います。移住してからのご近所付き合いはどうされていますか。
川内:  人にもよると思いますが、私は苦にならずに慣れていきました。気をつけたことと言えば、挨拶だけはしっかりしようと意識したことくらいでしょうか。私たちが知らなくても周りの方は私たちを知っていますからね。




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