講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』
インタビュー「東京R不動産」
1.馬場さんのプロフィール
2.独立、そして空き物件ブログの開設
3.CET(Central East Tokyo)の開催
4.離陸なるか?東京SOHOエリア
5.不動産仲介の始まり
6.取り扱い物件の変化
7.地方版R不動産
8.東京R不動産のノウハウとは?
9.都心から郊外へ
10.CETエリアツアー・ルポタージュ(高山卓磨・佐藤考一)
11.まとめ



1.馬場さんのプロフィール
松村:  今回取り上げる「東京R不動産(http://www.realtokyoestate.co.jp/)」は不動産仲介のWebサイトです。このサイトが興味深いのは、通常の仲介業者が見向きもしないような物件を中心に扱っていることにあります。そこで今回はこのサイトを立ち上げた馬場正尊氏にお話を伺うことにしました。そもそも馬場さんは何者かというところからお聞きしたいと思います。
馬場:  早稲田大学の大学院で石山研究室に在籍して、1994年に修士を卒業しました。石山修武さんから強烈な印象を受けてデザインをやっていたのですが、考現学も好きだし、街づくりにも興味を持っていました。ちょうど石山さんも街づくりに興味を持っていた時期でした。

その後、生活が苦しかったということもあり、広告会社の博報堂に入りました。実は学生結婚をしちゃって、すごい貧乏だったんです。親にも勘当同然でしたし…。
松村:  勘当ですか…
馬場:  設計事務所などでもアルバイトをしていましたが、設計だけじゃ生きていける気が全くしなくて…。そこで違う角度から建築を見てみようと考えて、給料もよさそうで建築も役に立ちそうな博報堂の就職試験を受けました。コンペの実績も結構あったので、履歴書に書いてアピールしましたが、家族構成が父・母じゃなくて妻・子と書いてあるわけです。「お前よくわからんが生活力だけはありそうだ」ということで採ってもらえました(笑)。

博報堂では博覧会をやったり地域計画みたいなことをやったりしました。そうしているうちにメディアのおもしろさに気付いて、1998年に博士課程に戻りました。ただ、1度社会に出て仕事をしてしまうと研究よりも実務の方にどんどん行ってしまって…。結局、博士課程を退学しても博報堂に戻らず、そのまま独立しました。



1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  次ページへ  


ライフスタイルとすまいTOP