講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


7.地方版R不動産
西田:  基本的な質問ですが、Rは何の略なんですか?
馬場:  Renovationであるとか、Rethinkであるとか、RebuildingとかRecycleとか、時代のキーワードのRというように言っておりました。
佐藤:  もともとはR-プロジェクトで使われ始めた略称ですよね?
馬場:  R-プロジェクトは、インテリア・家具会社の「IDEE」の創立者の黒崎輝男さんや、建築ではみかんぐみの竹内昌義さん、他にも編集の人とか様々な人が関わって始まったプロジェクトでした。ここから色々な動きが出てきて、東京R不動産もそのうちの一つになります。現在は分化してそれぞれ独自路線をやっているという状況になっています。
鈴木:  ライバルみたいなところに真似されたというようなことはありますか?
馬場:  東京R不動産のフォーマットは色々なところでコピーを見ますね。例えば、福岡にそっくりのWebサイトがあるんです。まぁしょうがないですけど。

それから、R-プロジェクトから分かれたところがライブドアと組んで買いに来られて、商標を取られそうになって大変なことになったこともあります。断ったのですが、こんな乱暴なことがあり得るんだと思いました。
松村:  それはそれで馬場さんたちが福岡で仕事していなきゃ構わないのかも知れませんが…。そうすると東京R不動産のポイントは何ですかね?誰でも簡単に真似できてしまうビジネスなんでしょうか?
馬場:  そうなんじゃないですかね(笑)。ただ不動産屋さんが言うには、こんな効率の悪いことはやらないそうです。契約も面倒くさいし、そもそも何が面白いんだ、と言われました。
鈴木:  だけどやはりアイコンにでてくるような需要ってあるんですよね?
馬場:  僕らは当然あるだろうと思っていましたが、こんなにニッチ市場だとは思っていませんでした。東京R不動産を始めてみて、東京ってでっかい街だなぁって改めて思いました。というのも、例えば金沢でR不動産を始めても東京と同じ方法は通用しなくて、もっとキメ細かい戦略が必要でした。どうやら都市のスケールにあった方法があるようです。そこで今度は、福岡でR不動産を立ち上げてみようかと考えています。僕の実家が九州なものですから。
鈴木:  金沢は暖簾分けみたいなものなのですか?
馬場:  かっこいい言葉で言うとフランチャイズです。金沢でやりたいっていう人がいて、じゃあシステムを…って。でも、ちゃんとしたビジネスとして収益が上がるようになるには少し時間がかかりそうです。試行錯誤している途中です。



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