講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


3.プロジェクトの反響
松村:  居住者募集の資料を見ると、当別移住応援ツアーを「北海道開拓使の会と共催」とありますが、これはどういった関係のものですか。
辻野:  現在はNPOになっていますが、当時は北海道への移住を支援しようという有志の集まりでした。当時、年に1回、移住体験ツアーというのをやっていて、当別もその中で宣伝することになったんです。当別田園住宅プロジェクトの3棟目の方は、大阪から移住されてきた方ですが、この会に参加されていました。
鈴木:  道外から移住された居住者は、どれくらいいらっしゃいますか。
辻野:  全くの道外からというのは、大阪と西宮からの2世帯です。例えば、夫婦とも大阪で働いていらっしゃったのですが、旦那さんが体調を壊して早期退職されて先に移住され、現在は奥様も合流されているという世帯があります。また、道内から引っ越してきた場合でも、もともとは道外生まれの方もいらっしゃいます。進学や就職をきっかけに北海道で暮らすようになって、いよいよ家を建てることとなり、北海道らしい生活を求めて当別田園住宅に入居されています。
松村:  北海道では、自治体が土地を提供し、農家が農業指導もしてくれるというように、地域ぐるみで移住促進を試みているところもあるようですが、当別町はどうですか。
辻野:  そういった過疎対策はしていませんが、当別町でも居住者を積極的に誘致しています。結構成功していて、最近できたスウェーデンヒルズという約500戸の戸建分譲地は、既に200戸ほど埋まっています。道内から移住されてきた方が多いですね。
西田:  札幌に近いというポテンシャルはありますよね。札幌から石狩当別駅まで各駅停車で40分ですから。
辻野:  そうですね。当別田園住宅プロジェクトも、札幌の郊外だから成立していますね。
松村:  当別田園住宅プロジェクトのこれまでの反響はどうですか。
辻野:  道内では、ぼちぼちありますね。ただ、道外への発信手段はホームページくらいに限られるので、あまりないのが実情です。
鈴木:  プロジェクトのペースは、年に1〜2棟くらいが丁度良いと思っていらっしゃるんですか。
辻野:  経営的にはもうちょっと多くても良いですね。今後、全体の数が増えると世間に認知されて、居住希望者も増えるかもしれません。でも、あまり増えても土地の供給が大変になるかもしれませんね。
松村:  「田園」という言葉を使われていますが、実際に畑仕事などをされているのですか。あるいは、そういった決まりがあるとか。
辻野:  お勤めの方もいらっしゃるので、特に決まりがあるわけではありませんが、それぞれの趣味で畑をやったり、芝を張ったり、バラを植えたりしていらっしゃいます。
松村:  辻野さんも、田園住宅の方にお住まいなんですか?
辻野:  いいえ。田園住宅と会社との中間くらいに住んでいます。もっともヤギを飼い始めました。やはり実践しないと(笑い)。



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