ライフスタイル考現行


3.インタビュー:埼玉県出身MSさん(46)

Q04/ライフスタイルに変化はありますか。

ライフスタイルはあまり変化しない。でも来た時は変わったね。ホームステイハウスを始めるまでは仕事を夜はやらなかった。運営し始めて、パソコンがそばに来ちゃったら、つい動いてしまう。夜にやっちゃうかっていう昔式のパターンがまた戻ってしまった。ゆっくりしたいと思ってこっちに来ても、来ちゃったら内地流で動いてしまう。本質は変わらないよ。

仕事面では、相変わらず不規則な生活を送っている部分がある。たぶん自分の時間よりも、仕事の時間の方が多いと思う。ただ、仕事=自分になっちゃっているから。仕事と私生活はたぶん切り離せない。というよりも、仕事をやっているという意識はあんまり無くて、自分の存在価値として、どこで必要とされるかって感じかな。本業自体は嫌いじゃない。自分の性格からして、やることがなかったら、何か探して始めてしまうよ。

今は、東京からの仕事に加え、地元の仕事も引き受けている。初めての沖縄だから頼まれたら断らないし、どんなに安い仕事であっても絶対手を抜かない。その後にいろんな縁ができてくるからね。人との付き合い方にも変化はない。どこでも同じ付き合い方をしているから、根本的なものは何も変わらない。本音を隠すとわかる。腹と違うことを言っていると相手に絶対伝わるから。やっぱ、正直に生きないとね。色眼鏡で人を見ていたら、相手もそういう対応をする。

自分が正直だと、向こうも正直になるのだと思うよ。自分がうそをついていると、相手もうそをついていると思い、疑った目で見る。行き着くとこは、人との付き合いは誰であっても一対一の個人の関係。性別や年齢、国籍など関係ない、人と人との一対一の付き合いをしたいね。

あと、お金の使い方はだいぶ変わったな。前は休みのたびにどっか出かけていた。ストレスが溜まっているからだろうね。その点、沖縄に来たら不思議と旅行に行きたいと思わなくなった。前までは、旅行して当たり前、でも、そういう欲がなくなった。これは移住者に共通すること。ストレス度が全然違うからだろうね。それに里帰りしたいとも思わなくなった。たまに出張で本土に行くことがあっても、日帰りで帰っちゃう。早く沖縄に帰りたいっていう自分がいる。それは、沖縄の居心地がいいからだろうね。あとは、ブランドにもこだわりがなくなる。ここの人はお金がないなりに楽しんでいる。だから、無理する必要がない。お金ないっていうのがすぐ言えちゃう。普通いえないでしょ。沖縄は正直に自分の感情を出すことが許されるから、すごく楽なのでしょうね。


Q05/今の生活に満足していますか。

こんなものだろうって思っていますよ。叶えられない夢を追いかけてもしょうがないし、今までの経験の中でやれることを精一杯やるしかないと思っている。その中で、なんか違うことが見えてきて別のものにいっちゃうっていうのもあるからね。


Q06/将来は沖縄に永住?

 たぶんそうなると思うね。がんばって長生きをしたいとは考えていないから、将来設計をせずにその時その時を楽しみながら生きたい。沖縄っていう土地は、歴史や文化、言語などいろんなことが全部絡んで出てくるからおもしろい。そういう部分を見たがる人間にとっては退屈しない所よね。日々発見があり、それを楽しんでいたりする。


Q07/これからの夢は。

具体的な夢はない。ただ、時間があれば人の人生に触れてみたいと思っている。いろんな人の話を聞いて、人の人生をじっくり形にしたいってね。沖縄の年配の方で、特にコザ時代に米軍相手に仕事をしてきた人たちは、私達が知らないことをたくさん経験してきているのだから、それが記録に残しておきたいと思う。でも、なかなかそんな時間ないよね(笑)。



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