(4) 二地域居住意向者・実施者にとっての問題
- 不動産流通経営協会さんのアンケートでは、二地域居住意向者が二地域居住で発生しそうと考えておられる問題をお尋ねしています。発生しそうな問題を複数回答された方を類型化しますと、「滞在先維持のコスト」の不安が最も多くなっています。次に「移動等」「滞在先物件確保のコスト」「時間・手間等」「物件条件」の順で不安が多くなっています。また発生しそうな問題を1つだけ回答された方は、滞在先物件確保のコスト (2,438名中217名) もしくは購入時の住宅ローン (2,438名中93名) などをあげられています。
- さらにこのアンケートでは、二地域居住を実施された方に、発生した問題をお尋ねしています。複数回答ではやはり「滞在先維持のコスト」負担の問題が実施者の中で最も割合が大きいものになっています。
- 複数問題を回答された方の平均問題数は、意向者 (2.82) の方が実施者 (2.59) よりも多く、現状での問題併発は、意向者の「発生しそう」と考えていたにとどまる傾向が考えられます。
- 「移動等」を不安 (意向者) 及び負担 (実施者) とした方の中では、高齢者層の割合が大きく、体力面から移動を問題と感じている可能性が考えられます。「時間・手間等」を不安 (意向者) 及び負担 (実施者) とした方の中では、若年層の割合が大きくなっています。また職業別にみますと、「時間・手間等」を不安 (意向者) 及び負担 (実施者) とした方の中では、公務員や会社員の割合が大きくなっています。現状では若年層や自由度の低い職種では時間的制約が強くなる傾向が考えられます。
・またメイン拠点・サブ拠点の距離と、「移動等」を不安 (意向者) 及び負担 (実施者) とした方の関わりを見ると、不安 (意向者) とした方は400km以上で多く、負担 (実施者) とした方は100km以上で多いことが分析されています。意向者と実施者の移動への感覚の乖離があると考えられます。
(5) DaaS (Dual Habitation as a Service) による一元化
- 最近よく耳にされていると思いますが、MaaS (Mobility as a Service) という考えがあります。電車・バス・タクシーなどの複数の交通手段を1つ1つ利用するのではなく、スマホでどこからどこへ行きたいとアプリに入力すると、すぐに最も効率のよい交通手段を、お金の決算を含めて一括で提示してくれるというものです。海外で広がっていますし、日本では小田急電鉄さんなどが進められています
- これは交通サービスでは進められていますが、二地域居住意向者に対して、生活拠点(住まい)・移動・コミュニティ・仕事などの情報収集・マッチング・維持管理などを一括のサービス (DaaS) として進めて、二地域居住実施を促進し、地域の担い手不足解消といった地域課題解決につなげることが考えられます。住まいを都市の中で考えて、交通手段やコミュニティ、仕事などを含めた総合的な課題解決のサービスをワンストップでできないかと考えています。どこかの機関がパッケージ化すれば、トータルの手間・コストを省くことができるのではないかと提案したいと考えています。