(3) 二地域居住実施者の満足度
- 2022年9月の国交省アンケート調査において二地域居住を実施しておられる方の職業(本業)は、学生・会社経営(経営者・役員)、フリーランスが上位3位でした。世帯年収では400〜600万円未満の割合が最も大きく、年収中央値より高い層が二地域居住を実施していると考えられます。
- 未実施者に対する「どんな改善が求められる?」との質問では、「十分な収入の確保」が53.0%(回答者ベースでの割合)と最も多く、2番目が「移動や滞在に伴う金銭的負担の軽減」27.5%、3番目が「仕事やプライベートでの時間的な余裕の確保」23.1%、4番目が「滞在地域での収入の確保」21.6%、5番目が「家族や同行者の理解、価値観の合う仲間の存在」16.8%でした。
- 大東建託賃貸未来研究所さんが2022年から2025年に行っている「住みここち調査」では、二地域居住実施者は主観的幸福度や、仕事・収入・社会的地位の満足度が高いとの結果がでています。さらに未婚者が、既婚者よりも、二地域居住を実施している方と無関心の方の幸福度・満足度の差が大きいとの結果となっています。また、自由業・自営業の方の幸福度・満足度の差が、公務員よりも大きく、職業の自由度が満足な二地域居住をもたらしていると考えられます。
- 一般社団法人不動産流通経営協会さんが2021年に行われた「複数拠点生活に関する意向調査」は、二地域居住を「自身の主な住まいとは別に、週末や一年のうちの一定期間を異なる場所で生活すること」と定義しています。そして二地域居住者を、「追求型:自己の環境向上を求める二地域居住」「模索型:仕事や他者による都合を含むなど目的の定まらない二地域居住」「介護型:他者の世話や自己の療養などを目的とした地域居住」に分類しています。「追求型」は新しい仕事を探したい、自分がやりたかったことをやりたいといった目的での二地域居住ということですね。自分の次の新しい暮らし方を探しているといった二地域居住は「模索型」と考えられます。
- その結果、「追求型」「介護型」は高年齢層に多く、「追求型」の満足度が特に高いこと(未婚・既婚共に70%以上)が分析されています。「介護型」での満足度は低くなっていますが、それでもおよそ55%の方が満足しておられます。
- さらに「追求型」における行先距離帯別の総合的満足度のデータでは、メイン拠点とサブ拠点との距離が遠いほど満足度が高くなることが分析されています。さらに関東がメイン拠点の方は、関東サブ拠点の方より他の地方(北海道・東北・近畿・中部・九州)をサブ拠点とする方の満足度が高い、つまり異なる特性の場所での二地域居住の満足度が高いことが分析されています。
- しかし一方で、二地域居住を意向しておられる方は北海道や沖縄を目的地としたいと考えておられますが、二地域居住を実施しておられる方々は同一の都道府県・大都市圏内で実施しているという分析になっています。予算制約が一番大きいと考えられますが、遠距離の二地域居住実現の難しさが分析されています。