講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


6.デザイニング展で学んだこと
松村:  そうしたお店づくりの根底には何があるのでしょうか?自分が生まれ育った街を良くしたいという思いでしょうか、それとも自分が暮らす街を身の回りから暮らしやすくしたいという思いでしょうか?
石井:  自分が住むのに楽しい街にしたいという思いの方が強いと思います。
鈴木:  伝建地区に対応した古い町家のようなデザインは考えませんでしたか?
石井:  そうするとカテゴライズされそうじゃないですか。「これって町おこしでしょ」って。それはちょっと嫌で、むしろ「なんだこれは!」という異物を街中に入れてみたかったんです。
松村:  ある種の確信を持ってお店づくりに取り組んだようですが、そうした考え方はどうやって得たのでしょうか?
石井:  福岡で関わった「デザイニング展」というイベントから大きな影響を受けています。デザイニング展は「デザインが街を変える」というコンセプトで、2005年から10年間続いたイベントです。例えば、僕が職場から帰るときに一軒のカフェによく立ち寄るとしましょう。このようにお店の常連になることも、街に対するデザインの一つと考えられます。デザイニング展では、そうした場所や環境、人の動きも含めてデザインと捉え、福岡市内の50〜60箇所でちょっとした展示や発表会を行いました。本屋に勤めながら、その6回目から関わりまして、すごく知り合いも増えました。建築関係者とも知り合いになれましたし、うきはに戻ってきてからも付き合いが続いています。



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