講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』




インタビュー「街に開く工務店」


1.福井綱吉さん「工務店が企画する暮らしのギャラリー」


1.家づくり図書館から野菜直営所まで
2.新しい街の老舗の工務店を目指して
3.「木を想う家づくり」から「家守」まで
4.「くらしの杜」の各種イベント
5.これからのくらしの杜


2.社員大工による地域のリフォーム


1.ビルの新築から住宅リフォームの世界へ
2.社員大工の育成
3.商圏5kmのリフォームに特化
4.社長の目が届く規模感


3.最後に


10.まとめ




1.福井綱吉さん「工務店が企画する暮らしのギャラリー」
1.家づくり図書館から野菜直営所まで
鈴木:  今回は、大阪大学近辺で目にした興味深い工務店をご紹介して、この分野に詳しい松村さんの感想を伺いたいと思っています。まず紹介するのはKJ WORKSです。北大阪の茨木と箕面にまたがる「彩都(国際文化公園都市)」は日本最後のニュータウンとも言われています。その中の彩都西駅からほど近いところにこの「ギャラリーくらしの杜」があります。簡単に言うとモデルハウスですが、ちょっとした図書館やカフェから第3セクターの野菜直売所まであって、時間帯によっては結構賑わう一角になっています。ここを運営しているのがKJ WORKSになります。
福井:  この「特産館 彩菜みまさか」は岡山県美作市の第3セクターが出店している直売所です。岡山からわざわざ大阪に出展しなくても、と思うかもしれませんが、岡山には野菜を直売できる土壌がまだないんですね。それならいっそ関西に出て行こうということになって、ご縁があってここにきて頂けました。
松村:  案内されたのが野菜直売所なので面食らいましたが、取材の狙いは分かってきました。近くに大型スーパーなどはないのでしょうか。
福井:  もちろんありますが、そういうスーパーの生鮮食品に満足できない方もかなりいらっしゃいます。開店当初はまとめ買いのお客さんも少なくありませんでしたが、それでは家の冷蔵庫で古くなってしまうと気付いて、毎日買いに来られる方が増えています。9時から11時頃が一番賑わっています。
福井:  こちらは岐阜県の旧加子母(かしも)村に本社がある中島工務店のモデルハウスです。中島工務店の社長と僕は出身が同じなものですから、KJ WORKSの資金が足りない時期にこちらから誘致しました。
鈴木:  こちらには常駐スタッフはいらっしゃるのでしょうか。
筒井:  常時2人おります。2006年にここにきましたが、ちょうどURの開発が撤退した時期でそれから2年間程はさみしかったですね。直売所ができてからは、そのお客さんがモデルハウスまで流れて来るようになりました。彩都はほとんど条件付き分譲で、市場に入って行きにくいのですが、神戸市北区に支店を持っていまして、関西ではかなり多くの物件を手がけております。当社は東濃ひのきを使った家が特徴です。現在は中津川市ですが、旧加子母村周辺の山で育った木材を使い、大工や建具、屋根、左官といった職方のほとんどが加子母周辺で生まれた人たちで家づくりをしています。
福井:  直売所に野菜を買いに来る方は物選びにポリシーがあるわけです。そういう方はKJ WORKSや中島工務店にも興味を持たれます。



1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  次ページへ  


ライフスタイルとすまいTOP