講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


1.友人との共食で子育て期を楽しく

 4.質疑応答1:専業主婦の社会への窓口
鈴木:  母親がフルタイムで働いている場合の共食には夫も参加することも多いとおっしゃいましたが、人数が増えますよね。そうすると、1組しか呼べないとか、子供は呼ばないとか、呼ぶ相手に変化は生じるのでしょうか?
松島:  呼ぶ人数は就業別に見ても変わりません。ですから、子供を呼ばないこともあれば3組でなくて2組を呼ぶこともあります。でも、1組だけを呼ぶことはあまりないと思います。
佐藤:  どのようなきっかけで、共食を始めるのでしょうか?
松島:  一番多いのは子供が幼稚園に入ったときです。その前にも、赤ちゃんを産むと1ヶ月検診や半年検診などで、同じ月齢のお子さんを持つお母さんたちが集まる機会があります。その時に誰かが声をかけて集まったという事例もありましたが、こちらの方は少ないですね。
松村:  母親同士のそうした仲間づくりは年齢は関係するんですか?男性の場合に仲間というと年齢が比較的近い者同士というイメージがありますが…。
鈴木:  それと子供の性別は関係ないのでしょうか?
松島:  自分の年齢というよりは、最初のお子さんが基準となるようです。でも、子供同士の性別や仲はあまり関係がなくて、母親同士の気が合うかどうかで共食仲間が選ばれていますね。それと、その延長で共食仲間の家族が一緒にスキーや旅行に行ったりしているという例もありました。父親を含めた関係の場合もあれば、母親同士の付き合いだけの場合もありますが、面白いことに地域によって異なった傾向が見られました。
松村:  家族ぐるみの付き合いになることもあるのですか。男同士の場合は子供を通じた知り合いが友達になることは、あまりないような気がしますがねぇ…。仮に、幼稚園の父親参観で会って、飲みましょうとなったとしても、たまたま出会った通りすがり以上にはなりそうもない。女性は違うのでしょうか?
松島:  女性の場合は高齢になってもずっと交流が続いていく場合が多いですね。
松村:  思い出しましたが、うちの母親は40年以上前に化粧品を売りにきていたおばさんと未だに付き合いがありすね。
鈴木:  でも、家に呼ぶような間柄になる人はやはり選んでいるでしょう。何度か話すうちに何となく分かるのかもしれませんが…。あるグループを見ると、収入あるいはキッチンやダイニングの広さが似ているというような共通性はありませんか?
松島:  似ていると思います。私にも子供がいますが、専業主婦の頃はやはり共食をしていました。でも、仕事に復帰して外に出て行くようになると必要なくなりましたね。子供の手も掛からなくなって話の内容も違ってくるので、別の人達との付き合いが多くなりました。
松村:  あと食事が大事なのでしょう。僕らでも会合の後にちょっと飲みに行くことがよくありますが、本当は世間話をしに行くわけですよ。確かにそれは誘い文句なんだけれど、飲食が伴うと非常に盛り上がる(笑い)。



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