まちづくりと高齢化

 

(6) ストック活用の多様な可能性に向けて

 空き家の増加に対して、既存住宅の流通・活用を進めるかが、日本の大きな課題です。ご承知のように、日本の住宅市場における中古住宅流通の比率は13%と、アメリカ77%、イギリス88%に比べて大きく遅れています。
 日本ではビジネスホテルなど大規模施設のコンバージョンは進められていますが、戸建住宅のコンバージョンはあまり進んでいません。それには、建築協定や地区計画のしばりという法制度上の問題がありますし、私有財産の使用についての限界があるかもしれません。しかし、小さな機能を点在させ、ネットワークしていくことが郊外型戸建住宅地の生き延びる方法と考えています。こういった取り組み自体が、高齢化への対策とイコールです。今後とも、研究を進める所存です。 fig4