まちづくりと高齢化

 

(4) 住み続けられるまちのために

 郊外型戸建住宅地の居住者の皆様は、住み続けられるまちを自分たちでつくる活動を行っておられます。(一財) 住宅生産振興財団が12年前に始めた「住まいのまちなみコンクール」は、住み続けられるまちづくりに努力され、良好なまちなみとコミュニティが形成されている地区・団体を支援するものです。桜ケ丘ハイツの自治会の1つである桂ケ丘自治会は第7回 (平成23年度) に「住まいのまちなみ優秀賞」を受賞しました。
 私も桜ケ丘ハイツの現地でいろいろと勉強させていただきました。20年くらい前から、地域の皆様で住み続けられるまちづくりの色々な取組みを試行錯誤しておられますが、その中で残った部会は「移動支援部会」と「お休み処部会」の2つでした。「移動支援部会」は、高齢で車の運転などが難しい、買い物難民が増えたことに対応して、誰かが名古屋市まで車で買い物に行くときに、会員が一緒に行くというものです。「お休み処部会」は、集会所・自宅・公民館などにおけるコミュニティの集まりの場づくりを企画・実施するところです。
 住宅生産振興財団では、「住まいのまちなみコンクール」の歴代受賞の方々が集まる、情報交換会を毎年開催しています。そこでは東大の大月先生が座長・ファシリテーターとなり、グループディスカッションが行われていますが、その発表では、築30年以上の色々な団地の問題と取組みについて、ホワイトボードに次のようなことが書かれていました。


 建築協定の一人協定など、最初につくったルールが現実に合わなくなってきていることや、戸建住宅地周辺とのコミュニケーションがなく孤立してしまうといった状態に対して、我々が生みの親として提言するために、もっとまちの人を知りたいと考えています。まちの歴史を次の世代にどうつなげるか、そこに住む人がいかにつながっていくか、そのための場づくりをどう進めるか、決められたルールを如何に変えていくか、ということを一緒に考えて行きたいと思います。