講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


(芹沢俊介さんプロフィール)
 1942年東京生まれ。1965年上智大学経済学部卒業。文芸・教育・家族など幅広い分野の評論で活躍。現代の家族や学校の切実な課題、子どもたちの問題を独自の視点で捉えている。我孫子市在住。一男二女の父。「子供たちの生と死」(筑摩書房)、「子どもたちはなぜ暴力に走るのか」(岩波書店)、「いじめの時代の子どもたちへ」(共著、新潮社)、などをはじめ多くの著作をもつ。新刊は「母という暴力」(春秋社)、「引きこもるという情熱」(雲母書房)。

芹沢俊介さん
ついていく父親

 メンバー紹介

 
1.これまでの活動





家族論を始めたきっかけ
家族論の時代性
養護施設長たちとの出会い
脱家族化/脱施設化

2.現代家族の家族意識





「できちゃった婚」の急増
選択肢としての結婚・出産
家族意識の変化
〜「個別同居型」から「個別別居型」の時代へ 〜
子供に安心・安全・安定を与える空間とは





1.これまでの活動

・家族論を始めたきっかけ
 批評活動を開始して最初の約10年間は、主に近現代詩批評を行っていました。評論活動を開始してから数年後に結婚し子供が生まれましたが、自分が思い描いていた家族と現実の家族生活とのギャップに直面しました。それをきっかけに、夫婦や親子がよりよい関係を築き上げていくにはどうしたらよいか考える必要に駆られ、家族の問題についても考えるようになったのです。
1960年に安保闘争が起こりましたが、当時高校生だった僕は1年遅れで闘争に参加できませんでした。1965年に大学を卒業すると、今度は大学紛争が起こりましたが、前年に大学を卒業していたので、そこにも参加することが出来ませんでした。
今振り返ってみると、それら二つの紛争に参加できなかったことが、家族の問題に意識が向くようになった大きな理由だと思います。というのは、学生時代に安保闘争に全エネルギーを注ぎ込んだ人たちの中で、現在も表現活動を行っている人はほとんどいないからです。本気で闘争に打ち込んで傷ついてしまった人が、表現者として活動していくのはかなり難しいことだと思います。二つの紛争はそれほど過酷なものだったのです。
当時は非常に悔しい思いをしましたが、今振り返ってみると、そうした政治の季節に遭遇しなかったことがかえって幸いだったと思います。


1  2  3  4  5  6  7  8  9  次ページへ  


ライフスタイルとすまいTOP