講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


4.NPOによる空き家再生
松村:  NPO法人尾道空き家再生プロジェクトは様々な活動をされていますが、これまでに何件の空き家を再生されたのでしょうか?
豊田:  進行中の取り組みも含めると、NPOとして再生した空き家は18件になります。もっとも、自分たちでできることはNPOで取り組みますが、再生工事を請け負っているわけではありません。構造に関する工事などは大工さんにお願いします。資金は金融機関などから借り入れることもあれば、補助金を頂くこともあります。
松村:  空き家への入居支援などもされているのでしょうか?
豊田:  尾道市からの業務委託で、空き家バンクを通じたマッチングもしています。尾道の山手には車が入れないエリアが広がっています。不動産屋さんと棲み分けができるよう、NPOのマッチング業務はこうしたエリアに限定して行っています。基本的に、山手の空き家に関心を持つ方は移住者なので、職人さんの現地派遣や生活相談会など移住後のサポート体制も整えています。
新規に空き家の閲覧申込や物件登録をされる方が毎月10〜15人ほどいて、今までに100件ほどが成約に至っています。当初の空き家の登録数は56件でしたが、現在は約3倍にまで増えています。移住者の半分ほどは県外から来た方々で、尾道で新しい商売を始めたりしています。20代から30代が圧倒的に多いためちょっとしたベビーブームが起きていて、最近の山手エリアは高齢化率の上昇が止まっているそうです(笑い)。




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