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松村: |
建て替える前の町家は、築何年くらいだったのですか。
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丸橋: |
160年と聞いています。江戸時代からですね。その後、昭和30年くらいに新建材が出てきたとときに、一部を改装しました。床を落としたりして。でも、白アリが出たりして、駆除の仕方が難しくて大変でした。
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松村: |
私の叔母も築100年くらいの京都の町家に住んでいます。代も2代くらい変わったし、地震も怖いし、台所は土間にあるしで、建て替えようかと言いながらも、何とか持ちこたえたいと言っています。
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丸橋: |
この辺りの年代の建物には良い材料が使われていますね。うちの大黒柱も大きかった。京都には大きな地震はありませんでしたが、強い地震にも耐えられるのではないかと思います。よく出来ているんじゃないでしょうか。
ただ、空調を始めてからは大変でした。もともとは、練炭の掘りごたつや火鉢だったのですが、電気ストーブ、エアコンと導入するうちに、隙間が出来たり、建具がはまりにくくなったりしました。
台所は寒かったので練炭を入れた火鉢が置かれていました。それでも炊事をする人は寒かったと思います。
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鈴木: |
床は張っていましたか。
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丸橋: |
張っていませんでした。水道設備も導入するのが遅かったので、井戸で汲まなければならなくて大変でした。
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松村: |
今でも井戸が残っている家はこの辺りにありますか。
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丸橋: |
数えるほどありませんね。
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鈴木: |
以前のお住まいには、女中さんがたくさん住んでいらっしゃったのですか。
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丸橋: |
戦前は家族以外に3〜4人、戦後には2人程度が一緒に住んでいたと思います。もっとも、それも私が小さいときの話で、高校生くらいの時にいなくなったと思います。
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松村: |
建て替えたきっかけは何ですか?
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丸橋: |
古くなって家が痛んできたためです。メンテナンスにお金がかかるようになってきて、特に暖房設備を入れてからは、建具などがはまらなくなってしまいました。また、シロアリが出たり、屋根がぼろぼろになったりして。最終的なきっかけとなったのは、土蔵の庇の土が全部落ちたことです。
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