講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


4.職人さんとのネットワーク
松村:  京都にこういう装束店は何社あるのですか。
丸橋:  協同組合に加盟しているのが20社です。それ以外にも7〜8社あります。
松村:  昔はもっとあったんでしょうか。
丸橋:  明治以降はよく分かりません。桃山時代から続いている店もあるのですが、業態が変わっています。今の商社のような店ではなくて、例えば冠だけ作っていたとか、公家の使う何かを作っていたのだと思います。

時代とともに、それだけではやっていけなくなって、装束も作るようになり、装束店になったという感じでしょうか。うちは、もともとは、京都の地の者ではありませんが、それでも創業して100年ほどになります。
鈴木:  お付き合いのある職人さんなどの住居形態はどのようなものなのでしょうか。みなさん、自宅で商売をされていますか。
丸橋:  近代的になっているところが多いです。半改築とか。基本的にはほとんどの方が自宅でされていますね。
鈴木:  京都に来て、生業のネットワークで生活が成り立っているのがとても新鮮でした。
松村:  生業を持っていると、ただ単に住んでいる人同士の関係よりも、深いんでしょうね。住んでいるだけだと子供が通う学校の繋がりだけですから。
丸橋:  そうですね。どなたも何を頼まれるか分からないわけです。この辺りで作ると値段が高すぎるというような物は、通常は京都以外の地域とかに発注します。でも、プレゼント用に一つだけ欲しいというような場合には、高くてもこの辺りで一つだけ分けてもらいます。このような注文は商売とは言えませんが、これが縁で50個とか100個という単位の注文が来ることもありますから。



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