ライフスタイル考現行


2.新高砂マンションを巡るA1階テナントスペースでの実験
吉原:  新高砂マンションのリノベーションを始めたのは2004年です。山王マンションで手応えを掴んだので、新高砂マンションでも空いた住戸から進め、現在では約2/3の住戸が異なるデザインの住戸へ生まれ変わっています。その結果、周辺相場より高い賃料を設定できるようなブランド価値が出てきています。
以前は1階がドラッグストアチェーンの店舗になっていて、結構な賃料が入っていました。入居者にとっても便利でしたが、クリエイティブな人たちが集まるようになると、何とも違和感が出てきたんです。そこで、思い切って契約期間を延長せず、店舗スペースの実験の場にしました。
その第1弾が「清川リトル商店街」という5ヶ月間のプロジェクトです。これは新高砂マンションの入居者だった下野さんという企画プランナーの提案に基づいています。このプロジェクトでは、移動可能な一坪の小屋をDIYで作り、11人がお店を開きました。出店料は15,000円で、ホームセンターで買ってきた40,000円分の材料で小屋を作っています。
松村:  入居者と一体となった取り組みですね。
吉原:  リノベーションミュージアムという賃貸事業がうまくいき、力を持った入居者がたくさん集まったことによって、そうしたアクションが自然発生的に出てきました。実際、入居者さんがまちづくりに主体的に取り組む動きも生まれています。2015年に新高砂マンションの入居者さんが中心となって、私たちと「清川ぶらりーず」というまちのファンクラブを結成しました。これは、清川のまちをめぐって魅力を発掘しようというものです。2016年5月には1年の集大成として、まちの人たちと一緒に「清川ぶらりMAP」という案内パンフレットを作成しました。





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