雪国の住環境形成の課題と解決策
 全国の降雪の状況
■降雪の深さの冬期合計
降雪深さマップ  

 北海道の大雪山・羊蹄山周辺、青森県の八甲田山周辺、山形県の蔵王山など奥羽山脈や新潟県の越後山脈の日本海側では年間の降雪の深さの合計が700pを超えています。

 冬期に積雪のある全国の主な都市を比較すると、新潟県の高田(上越市)が、最深積雪記録や最深積雪100cm以上の年間日数で最も大きくなっています。

 また、一言で積雪といっても、冬期の平均気温や日中の気温や日射量によって雪の状態は大きく異なっています。例えば、新潟県の降雪直後の雪の密度は70〜90kg/m3であり、北海道や東北地方の密度(50〜80kg/m3)に比べ、湿って重い雪質です。 さらに、日中の気温上昇や日射により気温が0℃を超える地方では、降り積もった湿った雪の一部が融解し、次第に密度が高くなり、きめ細かく締まった「しまり雪」となる。その後、積雪の内部に霜の結晶が成長し、粒径も大きくなり、密度がさらに高くなります。

 
出典:国土交通省都市・地域整備局地方整備課ホームページより  
 
 雪国の高齢者にとっての生活に係わる危険
     
雪国の高齢者にとって、事故の危険性が高い場合として、「屋根の雪下ろし」「居室と廊下、脱衣室と浴室の温度差」「敷地内のアプローチでの階段昇降」「敷地内や道路などの除排雪」などが指摘されています。

 
雪下ろし
温度差
アプローチ部階段昇降
敷地内の除雪
    「安全で快適な雪国の高齢社会型住環境の形成方策調査報告書」より
調査対象:豪雪地帯にあり、(財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターに「介護保険に係わる住宅改修相談・施工業者」として登録されている建築事業者
回収数:229(回収率31.8%)
 
 
  除排雪ボランティア活動など地域コミュニティに係わる課題
 人口減少と少子高齢化に伴い、地域コミュニティの維持、形成が困難になるとともに、除排雪活動の労働力が低下しているため、高齢者世帯の屋根雪下ろしや玄関先の除排雪活動を行うには、地域住民やボランティアを活用するなど、地域で高齢者の生活を支え合うことが求められています。
意識調査・除排雪の担い手
  「安全で快適な雪国の高齢社会型住環境の形成方策調査報告書」より  

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