(写真:高齢者住宅財団提供)

(写真:高齢者住宅財団提供)
雪に強い住宅づくり
 屋根雪おろしの負担解消

 

  高齢者にとって屋根雪おろしは、肉体的・精神的負担が大きく、作業中の転落、墜落事故の危険性が高いので、高齢者が居住する住宅については屋根の雪下ろしの負担解消が必要です。

<解決方法>
 その負担解消方法としては、@落雪式、A融雪式、B耐雪式、などの屋根の克雪化対策が有効です。

落雪場所での仮囲い
克雪住宅の各方式の特徴一覧
(安全で快適な雪国の高齢社会型住環境の形成方策調査報告書(平成14年3月)より
@落雪式
A融雪式
B耐雪式

概要

屋根の急勾配、又は滑りやすい屋根材を用いて雪を自然に滑り落す方式 灯油、ガス、電気等のエネルギー、生活排熱を用いて屋根雪を融かす方式(電熱式、温水式、ヒートパイプ式などがある) 2〜3m程度の積雪荷重に耐えられるように住宅の構造を強くする方式
概念図
敷地条件
敷地に余裕がある場合に適す(落雪・堆雪スペースが必要) 敷地に余裕のない場合にも適す 敷地に余裕のない場合にも適す
コスト
ランニングコストがかからない(屋根材や塗装等のメンテナンスは必要)

融雪装置の設置費用及び電熱費等のランニングコスト、設備交換費用がかかる。

鉄筋コンクリート造、木造の骨組強化のため建設費用が増大する。
居住環境への影響
1階の居室が雪に埋もれて採光が悪くなる場合があるので、庇を伸ばして落雪位置を建物から遠ざけることや、1階の窓や勝手口などを落雪地点以外の面に設けるなどの対策が必要になる。
落雪の音が不快。
温水式等はボイラー(灯油)の燃焼音がでる。 屋根雪が1箇所にたまらないように屋根の形は単純にすると共に、屋根雪の荷重に耐えられるよう、壁や柱の位置、間取りへの配慮が必要になる。
高齢者にとっての居住性
屋根雪下ろしの負担軽減。
落下雪の処理が必要。
屋根雪下ろしの負担軽減。
融雪装置の運転・維持管理が必要。
屋根雪下ろしの負担軽減。
その他
道路や玄関へのアプローチ部分に雪が落下しないよう、屋根の勾配の向きも配慮するなどの事故防止への配慮が必要。 エネルギー使用による環境負荷がかかる。
融雪水の凍結によってできる「つらら」が歩道などに落下し、通行人に危険を及ばすことがないように、屋根勾配の向きをなるべく歩道に向けないようにするなどの配慮が必要。
耐雪式屋根はフラットな屋根になるため、建物の外観デザインを工夫するなど、地域にふさわしい景観や周辺との調和に配慮も必要。
 
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