サービス付き高齢者向け住宅の政策に関する
国土交通省との意見交換
4 その他 住宅会社各社からの提言
(1) IOT・人材について
最近のサ高住の受注物件の大半は医療法人からで、早期退院を可能とする受け皿を目的とするものあり、サ高住のもともとの位置づけからずれている。民間事業者にとりスタッフ確保が一番の問題になっており、それは弊社のグループ会社においても共通の問題となっている。24時間365日夜間対応の業務における離職率の問題が大きい。長期的に安定した人材確保に関する根本的な対策が必要になっている。建物をつくっても人材確保の問題から開設できないというお話を伺っている。
サ高住について弊社では医療連携を進めている。圧迫骨折などで入院後、治療は終わったが、自宅での生活はまだ不安といった、グレーゾーンにある方の受け皿となる住宅を模索中である。高齢者は自立期から、怪我・疾病などによる要介護期、自立期への回復を繰り返すもので、その間も同じ住まいに住み続けられることが大事である。IOTを利用しながら、必要なときに人的サービスを集中してあてることのできるようなサ高住運営が可能になると、入居者の幅が広がる。
見守りにIOTを取り入れることを弊社も検討している。自治体によっては1日1回の訪問による見守りをしてくださいとするところがあるが、自立型のシニア住宅の入居者の中には訪問を嫌がる人もいる。生活リズムや水センサーといった見守りの技術があることについて、地方行政が歩調を合わせることがIOTによる見守りを進めることになるではと感じている。
最近の傾向は、地主さんから建設のご相談をいたただいても、運営する事業者からは、駅から徒歩圏の立地でなければ従業員が集まらないために厳しいと言われることである。最近は、医療法人から病院の補完施設として、緩和ケアのホスピスをやりたいというご相談が増えている。特養についても建設受注ができている。しかし行政によっては入居者が集まっても、介護職員が集まらなければ指定しないというところがある。やはりスタッフ確保の問題が大きい。
(2) その他
高専賃から移行した、開設後7〜8年経過したサ高住で、入居率が下がっている物件がでている。その理由は介護付き有料老人ホームのような体制がなく、入居時は自立している方でも、5〜10年経つと住み続けが難しくなることである。サ高住において自立期を長くするサービスや住まいとしてのイメージを、業界全体でアピールする必要がある。今のサ高住は有料老人ホーム的な色彩のものになっている。
高優賃の入居率が大変苦戦しているが、その主な理由として、サ高住の情報提供システムに高優賃が入っておらず、利用者が高齢者住宅を探す時に高優賃の情報を得ることができない状態にあると考えている。サ高住の情報提供システムに高優賃を入れることをお願いしたい。
また市の境界沿いの住民が隣接市の介護施設の利用がしにくい、サ高住における駐車場・駐輪場の附置義務、一団地認定されているため空き店舗・空き地の用途変更ができないといった、政策提言したいことがある。早めの住替えに関連して、自宅を活用した住替えにおいて自宅活用による収入について確定申告を不要とする税制度についても検討していただきたい。
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