サービス付き高齢者向け住宅の政策に関する
国土交通省との意見交換
(3) 北欧と日本との違い
日本において北欧の高齢者住宅のイメージはとても高いものとなっております。しかし北欧の状況と日本とは異なる点が多く、そのまま真似をすればいいというものではありません。
北欧においても多床室は、新築はされていませんが、まだ残っています。そして北欧では多床室から高齢者ホーム・介護付きホームへの転換が進められましたが、介護付きホームでは高齢者が家具等を大量に持ち込んで移り住むことのできる広さが確保されています。つまり今までの生活の延長の中で介護を受けることのできる住宅となっています。これが日本との大きな違いで、日本のサ高住の広さでは家具等を自宅に残して高齢者住宅に移り住むことになり、なかなか移り住みに踏み込めない理由と、自宅を処分できない大きな理由となっています。最近は家具等を持ち込んで移り住むことのできる、広めのサ高住もでてきており、期待しています。
また、北欧の介護付きホームでの入浴は、シャワーキャリーに乗ってシャワーを浴びるやり方で行われていますが、日本の生活習慣ではシャワーだけでよいとはなりません。そのため入浴介助における介護職員の負担が大きく異なります。また北欧での食事は、パンに何かをはさんだものを朝昼晩食べるというとても簡素なもので、日本での食生活とは異なります。
死生観や終末医療に関する考え方も北欧と日本は異なります。北欧では日本ほど手厚い終末医療は行わず、要介護の期間が日本より短いということを、北欧の介護付きホームを参考にする際に考慮すべきと考えられます。
(4) セーフティネット住宅
住宅セーフティネット法の改正により、住宅確保要配慮者向け賃貸住宅「セーフティネット住宅」の登録制度を設けました。登録住宅の改修・入居への経済的支援や、住宅確保要配慮者のマッチング・入居支援を進めてまいります。
登録住宅の改修支援は、低所得者向けに留まらない、様々なケースを想定しています。共同居住用への改修については、シェアハウスなど共同居住 (高齢者・子育て世帯・学生)、外国人留学生向け共同居住、ひとり親世帯向け共同居住を想定しています。さらに、まちなかの居住推進や密集市街地内の安全性向上といったエリアに着目した改修支援、UIJターンの促進やひとり親世帯の居住支援といった入居者に着目した活用方法もありうると考えています。
(5) スマートウェルネス住宅
「スマートウェルネス住宅等推進モデル事業」(平成29年度国庫補助事業) は、高齢者・障害者・子育て世帯の居住の安定確保及び健康の維持・増進に資する事業を公募し、国が選定した事業の実施に要する費用の一部を補助するものです。高齢者等の居住の安定確保及び健康の維持・増進に資するために具体的に課題解決を図る取組みで、先導性が高く創意工夫を含むものであることと、情報公開を行うこと、平成29年度内に着工することが要件になっています。皆さんからのご応募をよろしくお願いします。
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