『ごちゃまぜ』をめざして、
地域で経済が循環するまちづくりの可能性
-超少子高齢化、人口・世帯減少、プレAI期における後退戦への臨み方-
2) Share金沢
Share金沢は、元々は国立療養所だったところの払い下げでつくられたまちですが、民間のハウスメーカーの社長さんが「なんでこんな短時間に開発できたのかわからない」とおっしゃっていました。「開発資金はどうしているのか?」と聞かれましたが、私の見たところではお金ではなく、知恵を最大限使っています。デイサービスと生活介護施設、障害者就労支援施設、知的障害児施設、公衆浴場は、全部異なる法制度や補助制度が使われて成立しています。そして、福祉支援を行う事業の職員に対しての補助メニューがあり、就労支援をする専門スタッフを雇用しています。屋内の全天候型フットサルは、児童福祉法に乗っかったスペースで、学校に通う子供たちが遊びに来ます。すると障害を持った子供も、そうではない子供も一緒に遊びます。
他にも、サ高住と、唯一補助を受けないでつくった一般住宅、近くの美大学生に対する工房・アトリエ (バスを改造) 付き住居、就労支援となっている共同売店・カフェ・料理教室・バーなどがあります。美大生については住居の家賃を安くする代わりに、シェア金沢でのボランティア活動に参加してくださいとしています。アルパカのいる畜舎とログハウスも就労支援の場となっています。
このようにShare金沢では、たくさんの要素が連関し合って動いています。
要は発想の転換で、私たちはお金がないわけじゃなくて、お金をどういうふうに使うのかという知恵が足りてないのだとShare金沢を通じて見えてくるのではないかと思います。
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