『ごちゃまぜ』をめざして、
地域で経済が循環するまちづくりの可能性
-超少子高齢化、人口・世帯減少、プレAI期における後退戦への臨み方-
(2) 「ごちゃまぜ」
1) Share金沢の原点 西圓寺
石川県金沢市のShare金沢はとてもよく知られていますが、その原点は、石川県小松市の西圓寺にあります。西圓寺が廃寺となり朽ち果てようとしているときに、檀家から社会福祉法人佛子園の理事長になんとかしてくださいとのお話がいって、福祉施設として再生されました。Share金沢は、この社会福祉法人佛子園が新設・運営しているものです。
西圓寺では地域にある資源を徹底的に使っています。高齢者デイサービス、生活介護、就労継続支援B型、児童発達支援・放課後等デイサービスといった福祉を一所懸命にやる一方で、天然温泉を掘りました。そして地域の方々が温泉に入りに来られる中で、地域コミュニティーセンターになっていきました。驚いたことに、お寺の大御堂に食器棚が置かれ、大御堂の横がバーカウンターになっています。障害者の方が天然温泉で働くことが、就労支援になっています。温泉でエステも行われています。温泉には“入湯札”があって、地域の温泉に入ってこられるときに札をひっくり返すことで、この方が今温泉に入っておられるという、自然な見守りとなっています。
子供に人気で、子供が来ると親が来る。するとおじいちゃん、おばあちゃんも来る。まちなかに転出した方が、子育てをするなら…と、近くに家を建てて戻ってくるようになり、地域の人口が増えるという現象が起きています。それで佛子園では「ごちゃまぜ」の概念を考え、Share金沢に進んでいったのです。
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