講演+インタビューシリーズ『ライフスタイルを見る視点』


4.どのような人が住む?
見立:  居住者は20歳代が半分ほどを占めていて、40歳代以上は一握です。職業は派遣・契約社員やパートタイマーといった非正社員が60%ほどを占めます。正社員は26%で、学生は意外に少ないです。年収は、480万円以上の方も少なからず見られましたが、240〜300万円くらいが最も多いですね。

ゲストハウスに引っ越す前、海外に住んでいた人が17%を占めていて、国別内訳はオーストラリア、アメリカ、イギリスという順番になっています。そうした人は宿泊タイプのゲストハウスやルームシェアを海外で経験して、日本でもゲストハウスに入居しているようです。シェア経験者が64%を占めますが、海外でのバックパッカー宿泊経験も含まれるので、本格的経験者はその1/3ほどと思います。

もっとも最近は、それまで一般賃貸物件に住んでいた人が増えています。それから、就職を機に東京に出てきたとか、社会人として独立する第一歩として住む人も多いですね。関西では敷金礼金が高いので親元から独立しにくいという話も聞きますが、その点でゲストハウスは敷居が非常に低い。

入居理由を見ると、家賃が安い、場所が良い、保証人が不要、すぐに入居可能といったところが上位を占めます。その一方で、一人暮らしより安心感があるとか、シェア生活がおもしろそうという理由も一定数を占めます。ヒアリング調査をした感じでは、当初は家賃が安いから入居するんですが、物件が良くて自分に合ったりしてシェア生活がやめられないという人が非常に多い印象です。
西田:  国籍が問われずに住めるとのことですが、出身地はどうなっていますか?
見立:  現在は韓国が圧倒的に多いですね。その後にアメリカ、中国、ドイツ、オーストラリアと続きます。
北川:  韓国人が一番多いという結果は意外でした。それも概ね20歳代前半の女の子なんです。日本人でも裕福な家の子女が語学留学という名目で海外にいったりしますよね。聞いてみると、韓国では東京が非常におしゃれな場所なんだそうです。つまり、そうやって東京に来た韓国の女の子達が、手軽に入居できてしかも日本人とも交流できるという理由でゲストハウスに住んでいるわけです。



前ページへ  1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  次ページへ  


ライフスタイルとすまいTOP