自分で別荘までつくってしまうのだから、「知的DIYの技術」(新潮選書)の著者中野不二男さんは只者ではないなと思っていましたが、やはりそうでした。お話しを伺った後、一杯やりながら更に色々とお話しましたが、小中学生の時代から様々な実験や工作に没頭する天才理科少年だったようです。その後の人生の組立ても非常に独自性の強いもの。自分流に拘る強さのある人なのだと得心しました。
そう、「これこそライフスタイル」という感じです。市場調査屋さんに勝手に分析され、「○○派」というような適当な名前をつけられるものではなく、その人の人生そのものの表出のようなライフスタイル。いよいよこの頁も良いところまで来たように思います。
DIYに関して言えば、やはり何かを「つくる」という行為そのものであるだけに、ライフスタイルを生出す人間の本質に極めて近いところにある時間の使い方だと実感しました。これは「DIY派」などと軽はずみに一絡げにしていてはとてもまずいのだと思います。DIYの世界は予想以上に深いのです。
(松村秀一)
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