シニア向けの生活サービス・パッケージ「伴奏パック」の研究
(3) 無料試行の次の段階の研究
無料での試行期間が今年1月に終わり、次の段階の研究として、有料での「新伴奏パック」を始めました。お値段については、試行期間の5時間/月の家事サービスは、市場では2万円/月ほどの価格になりますが、5時間/月では1時間以上時間があまるとの結果になり、1.5時間で9,500円のパックサービスとしました。これに毎月の訪問1.5時間が加わり、月2回で1.3万円/月という形で利用されている方もいます。
9名のモニターの中で「新伴奏パック」を継続された方が3名、サービス全てではなく一部を継続された方は2名、継続されなかった方が4名です。
継続された方は、最初は生活相談員やヘルパーが家に入ることに抵抗感や不安があっても、やがて生活の一部として快適なルーティンになり、お金を出す価値があると判断されたようです。弊社では生活相談員とヘルパーの連携でプログラムが動いているので、他社のような家事代行だけよりも良いということで継続された方がおられます。
一部継続された方は、生活サポートの中身としてはとても良かったが まだ70代前半で仕事をしている、あるいは70代後半ではあるけれども家事など自分でできるので、全部必要はないという方々です。ただ共働きなので家事サービスは継続したい、あるいは健康上の不安があるので駆けつけサービスは継続したいとのことです。一部のサービスを継続しているので、いずれまた全部のサービスを使う可能性もあるとのことです。
非継続の方の4名の内、3名はヘーベルヴィレッジに住んでおられ、すでに生活相談機能が担保されているし、戸建てとは異なり、窓ふきや庭の草むしりが大変ではないということのようです。また、介護保険など他のサービス資源を利用中で、家事支援が必要ないという理由もあります。
(4) 「伴奏パック」試行研究のまとめ
まだまだ試行研究が一旦終わった段階ですが、次のことが分かりました。
[1]
自立でも、後期高齢者には疾病等から一定のサポートニーズがあります。当初は、生活相談員がお宅に伺っても、なにをしてもらったらいいかしらと、ニーズの顕在化は難しい状態でした。目の前の困りごとを入口から解きほぐしていくことで、ニーズが顕在化します。自立シニアといえども、持病といかにつきあうか いかに自分らしく生活するかというところにサポートのニーズがありますが、健康で自分らしく生きるためにどうしたいかは人それぞれ異なります。それに対して、サポートがなんらかの役に立つと考えていただけるかがキーになります。
[2]
伴奏パックが生活の一部に溶け込み、有償での継続者が出現しました。
[3]
信頼できる窓口になれば、シニア固有の請負・斡旋業務の可能性があります。生活サポートの先にある課題について、ご相談をいただくようになっていますが、ご相談にどう対応していくか、各社の有するリソースや費用のことを考え、すべて利益換算するのかというところまで含めて議論すべきかと考えています。
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