シニア向けの生活サービス・パッケージ「伴奏パック」の研究
3)生活サポートのニーズ研究
6か月間の試行の入口のところで、最もニーズの高い生活サポートは、室内掃除、ガラス拭きでした。後期高齢者はしゃがむ動作がしづらいということと、目が弱って汚れに気づきにくくなっているということからのニーズは明らかにあります。
そして数か月経ち、信頼関係ができてくると同時に要望の幅が広がり、不用品片づけや調理、洗濯といったニーズが出てくることが分かってきました。
定期訪問で生活のお困りごとを伺い、対応しておりますが、その具体的内容は、マイナンバーカード申請といった、役所などの情報確認・提供や、PCなど機器類の操作フォロー、照明器具交換や大型荷物開梱・組立て、ゴミだしなどの住居関係のフォローでした。マイナンバーカード申請など、この年代の方にはやりにくいし、子どもにも聞きづらいということがあるようです。
4)からだ・心・行動の変化
生活サポートを通じて、ご本人には、からだ (健康維持)、こころ (気持ちが明るく前向きになる)、行動 (これまでの行動維持と新しい行動の引き出し) という変化がありました。
例えばからだの変化の事例ですが、ヘーベルヴィレッジにお住まいで、お子さまが海外に住まわれており、ご本人が胃の手術をされていて食事や献立が面倒という方がおられました。今回のサポートでの調理や、生活相談員を交えた会食を行うことで、体重が良いレベルに増えるといった体調管理が進むことになりました。
こころの変化については、ご主人が他界された80歳の単身女性の方ですが、家の片づけや掃除もままならない状態でした。それが生活サポートでガラス拭きや障子の張り替えを行うことで、気持ちが明るくなり、生活サポートで不用品整理も行なわれるようになり、家がきれいになっていく効果がありました。
行動の変化については、ご夫婦でお住まいの方で、奥様はボランティアで朗読を行ったり、友人とお出かけしたりがお好きな方でしたが、腰痛など家の掃除などが体力的に大変になりつつありました。生活サポートで、自分の好きなことが引き続きできるようになることや、ご主人の認知症に生活相談員が相談に乗ってくれることが非常に良かったとのことでした。
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