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松村: |
今や絶滅危惧種と言われたりするのを耳にしますが、、黒岩さんはわざわざ銭湯付きの自宅を建てた方です。建築家の西村浩さんが、その狙いを「住宅特集2020年9月号」に解説していますが、施主のお話を直接伺いたいと思ってやってきました。熊本で構造設計事務所を営む黒岩さんが、何故、銭湯を作ったのでしょうか?
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黒岩: |
自宅の分譲マンションが大規模半壊になったことが始まりです。すぐ近くの7階建てマンションに住んでいましたが、2016年の熊本地震で4階部分が大きく壊れてしまった。急遽、家探しに迫られまして、新しい家を作るなら災害時に地域の拠り所になるものにしたいと考えたんです。
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松村: |
熊本地震がきっかけとのことですが、当時はどのような状態でしたか?
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黒岩: |
ガスや電気が止まり、2〜3か月ほどは自宅の風呂に入れませんでした。この近くで入浴できるのは健康ランドくらいでしたが、地震直後はごった返し状態で、洗い場の排水が追いつかないほどでした。九州には地震が来ないとみんなが高を括っていたんでしょう。
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